【呪術廻戦】 未知の呪物を取り込んでしまった…3

＃40　五条の悪戯 ページ9

つん、とつれない態度のAに口を尖らせ、子供のように拗ねていた五条だったが、突然何かを思い出したように持っていた袋をゴソゴソとあさり始める。


「Aにね、お土産があるんだよ、めちゃくちゃおいしいジュース」

「おいしいジュース！？」


ジュースと聞いて、途端に碧い瞳をきらめかせるA。


やっぱ食い意地張ってんな、というのは心の中だけにとどめておくことにした伏黒。


食いつきのいいAにご機嫌な様子で五条が取り出したのは、１本のボトルであった。


「野イチゴをたっぷり使ったジュースなんだって。僕も飲んでみたけど、すっごい美味しかったよ」

「ありがとうございます、さっそく飲んでみてもいいですか？」

「ふっふっふ、もちろん構わないとも！！飲んで飲んで！」


Aがすい、と差し出したガラスのコップに、透明な赤い液体を注いでいく五条。



Aは気付いていないが、五条の口元が悪ガキのようににやついているのを見て、とてつもなく嫌な予感を覚えるのは伏黒、そして復活した真希と狗巻。



「それじゃあ有難く、頂きます――ん、おいしい！ちょっと不思議な味がするけど、イチゴの香りがすごく広がって……ん、癖になりそう」


躊躇せずにごくごくと液体を飲み干すA、その細く白い喉が上下に動く。



グラスカップ1杯分をまるまると飲み干し、コップを机に置いた彼女の白い頬が、林檎のように紅く色づいている。


――心なしか、頭がふわふわと揺れているように見えるのは、気のせいだろうか。



「……物凄く、嫌な予感がします」


その様子を見ていた七海が、つかつかとやってきて五条の手からボトルを奪い取る。

ラベルを読んでいた七海の顔が段々と険しくなっていき―――――


「ドルフィ・フレーズ・デ・ボア。…五条さん、これがっつりお酒じゃないですか」

「はああ！？」

「このバカ、Aに何飲ませてんだオマエ！！」

「生徒に酒を飲ませるとか、犯罪じゃないですか」

釘崎と真希の怒り心頭の怒鳴り声と、伏黒の冷酷な指摘に慌てて弁解をし始める五条。



「いや、どんな反応するか見てみたかったんだよ、いっぱい飲ませるつもりはなかったよ、マジで。ほら、これイチゴのリキュールとは言え、フラゴリッシモみたいに度数高いわけじゃないし」

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