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「貴方は…」
「ああ、僕?んー、なんかね、君のことが邪魔な奴が、君のことを殺したがってるんだよ。自分の目的を邪魔する存在…的なこと言ってたよ?僕はあんまり詳しいこと聞かされてないけどね。ガキンチョっぽかったけど、報酬はかなりいい方だったし、僕が引き受けたというわけだ。」
ぺらぺらとよく口の回る男だ。すらすらとそんなに話してしまってよかったのだろうか。
「僕としても残念だよ、君みたいに可愛い子を殺さなくちゃいけないなんて。でもおしゃべりはもうおしまい。ってことで、君のこと、殺させてもらうね」
瞳に嗜虐的な光を宿し、Aの全身を舐めまわすように見つめる男は、やはり呪詛師であると見て取って間違いなさそうだ。
「……っ!」
≪――――要は、Aの命を奪いに来たごみと認識していいわけね≫
Aが戦闘態勢に入ろうとしたのと、瑠璃の恐ろしく冷たい声が脳に響いたのは、ほぼ同時のことだった。
意識が暗転する。訳が分からないまま、視界が真っ黒に染まっていき――――。
「えっ、なに?急にどうした――――っっ!?」
男が声を詰まらせたのは、他でもない、自分が今まさに殺そうとしていた少女から放たれる、圧倒的な冷気のせい。
その凄まじく冷たい風は床や壁を白く凍えさせ、とんでもない呪力放出に男はガタガタと震え始める。当然だ、今までこんなプレッシャー、浴びたことがない。
「き、君は…」
「Aは相手が人間になった瞬間、手加減してしまうだろうから。――ここは私が直接、手を下すことにするわ。…光栄に思いなさい?」
真っ白な髪に、どこまでも深い紺碧の瞳が男を射貫くように見つめる。
「黒幕を吐かせたいけど、あんたは何も知らなさそうだし…。拷問せずにおいてあげましょう」
私って慈悲深い、と艶っぽい笑みを浮かべる瑠璃に、男は膝をつき、地面に頭をこすりつけた。
「や、約束します、もう2度とあなたを狙おうだなんてしない。この件からは手を引く、引きます!!だから、だか、ら――――」
「Aを殺そうとした時点であなたの運命は決まっていたのよ。…お前は、万死に値することをした。一回で殺してもらえることに、感謝するべきね」
どこまでも冷酷な瞳に、男は絶望でその瞳をいっぱいにする。
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sou(プロフ) - わぁー!!!もうめっちゃ素敵な作品!!!見ていてにまにましてしまいます!!夢主ちゃんもすごく素敵な子で見てみて夢があって楽しいです!!一つだけ!!37ページの綺麗が奇麗になってます! (2022年2月18日 11時) (レス) @page37 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - sさん» あっ、そうなんですか!?では、ギリ禁断ではないってことですね!新知識です、教えてくださり、ありがとうございます!!はい、頑張りますありがとうございます!! (2021年3月28日 17時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
s - コメント失礼します。とても面白いです!彼氏疑惑はこっちまでなんかヒヤヒヤしましたwでも従兄弟同士って法律上は結婚できたような… これからも更新頑張ってください! (2021年3月28日 16時) (レス) id: 82fa48879c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 43yomi1さん» し、幸せです滅茶苦茶光栄ですっ!!はいっ、頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2021年3月4日 22時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…滅茶苦茶面白くて、更新楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!応援してます!!!!!! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月28日 23時