#44 呪詛師襲来 ページ26
昨日は随分と夜更かししてしまったせいで、まだ若干眠たい。
あれからいろいろ五条と話をして、久しぶりに楽しかったからよかったのだけど。
「強くなってよ、A。そんで、兆が一、いや、京が一でもありえないと思うけど、僕がピンチになったら助けにきてね♡」
ふざけたようにAの頭を撫でた後、そうやって去っていく五条の後ろ姿が、妙に寂しく見えてしまったのは気のせいだったのだろうか。
「うーん、人がいっぱい」
街にやってきたのだから当たり前っちゃ当たり前だが。野薔薇とお揃いの新しいジャージを買いたかったのだが、こうも人が多いと気分も萎える。
せっかくの休日だというのに。
人の流れを避けるように歩き続けていれば、必然的に薄暗い路地裏に入ってしまったわけで。
「まあいっか。人が少なくなるまで、この辺をぶらぶらとしてようかな」
息がつまりそうになるのよりはずっといい。そう考えて、人気のないところを当てもなく散策していたわけなのだが…。
≪A、気づいてる?≫
「……うん。つけられてるね」
後ろから、一定以上の距離を保って後をついてくる誰か。かなり巧妙に呪力の気配を隠しているが、こちとら有能な魔眼があるため、そんな気配隠しも無意味に等しい。
≪どうする?返り討ちにする?≫
いつものAであったならば、うまく撒いてそのまま高専に帰ることを選んだはずだ。しかし―――――、
「呪力があるからして一般人じゃない。…呪術師じゃないとすれば、呪詛師だと…思う。取り敢えず、人のいないところに誘導して、話を聞いてみる」
いくら呪詛師であったとしても、相手が人間ならば慈悲を見せてしまう。そんなAがどうしようもなくもどかしい瑠璃。
Aはやがて、人気の全くない、今は使われていない下水道のトンネルのようなところまでやってきた。ここならば、仮に戦闘をしたとしても一般人に見られる恐れはないだろう。
「――――さっきから貴方は、どうして私のことを付けてるの?」
その言葉に反応するように、奥からゆっくり現れたのは見知らぬ男。少なくとも、Aはこの男を知らない。
「いやいや、わざわざ人気のないところまで誘導するなんて、君自滅する気?…まあ僕としては手間が省けていいんだけど」
緊迫した空気が、2人の間に流れていた。
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sou(プロフ) - わぁー!!!もうめっちゃ素敵な作品!!!見ていてにまにましてしまいます!!夢主ちゃんもすごく素敵な子で見てみて夢があって楽しいです!!一つだけ!!37ページの綺麗が奇麗になってます! (2022年2月18日 11時) (レス) @page37 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - sさん» あっ、そうなんですか!?では、ギリ禁断ではないってことですね!新知識です、教えてくださり、ありがとうございます!!はい、頑張りますありがとうございます!! (2021年3月28日 17時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
s - コメント失礼します。とても面白いです!彼氏疑惑はこっちまでなんかヒヤヒヤしましたwでも従兄弟同士って法律上は結婚できたような… これからも更新頑張ってください! (2021年3月28日 16時) (レス) id: 82fa48879c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 43yomi1さん» し、幸せです滅茶苦茶光栄ですっ!!はいっ、頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2021年3月4日 22時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…滅茶苦茶面白くて、更新楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!応援してます!!!!!! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月28日 23時