【呪術廻戦】 未知の呪物を取り込んでしまった…3

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先生悲しい〜と、泣き真似までし始めた五条に、伏黒が五条を殴りたいといったときの気持ちが何となく、うっすらと分かる気がした。


もちろん、そんなことを教師に行使するつもりはないけれど。


このまま申し訳なさそうにしていても、五条はきっと満足しない。それならいっそのこと、Aも彼と同じように、ふざけるように、茶化すように、誤魔化してみてはどうだろうか。


「乙女に秘密はつきものですから。…先生になんて、教えてあげない♪」


なかなかに恥ずかしいセリフ。それでもAが行えば、さっきまでダル絡みしていた五条の動きを止めるほどの効果を発揮する。


秘密、を表すように人差し指をたてて唇に当て、悪戯っぽくウインク。これは完全におふざけである。普段は絶対こんなことしない。強いて言うなら、五条がしそうなことを真似してみただけ。


「――ほぉ。Aも言うようになったね。良いんじゃない？可愛いし」


「一言余計です」


膝の上で頬杖をつき、挑発的に口の端を吊り上げる五条に、Aもまた婉然とした微笑みで返す。


そう、Aだってやるときはやる。今まで五条に振り回されっぱなしだったけれど、ここぞというときに反撃ができる女、それが雪音A―――――


「いひゃひゃひゃひゃい、ごめんなひゃい、」

「生意気。先生に隠し事するような悪い子は君かな？」


片頬を思いっ切り引っ張られて、早々に降参するA。実力行使はズルいと思う。



―――――結局、白状させられることになったわけだが。
よくよく考えてみれば、Aと瑠璃の関係だなんてそんなに興味ないのでは？ということである。


何故、いい年した大人がこうも躍起になって、Aの秘密を暴きたがるのか。…まあ、それが五条なのだと言われれば、反論はできないのだけれど。


「ふ〜ん、へ〜え、そうなんだ、ふ〜ん」
話を聞き終えた五条の反応は、Aの予想外だったと言って差支えはない。


「な〜んだ、そんなことか、」みたいな感じで、適当に流されるのかと思っていたのに。
今の五条は何だか拗ねているような雰囲気である。いったいどうして？

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