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今までに聞いたことがないほど艶っぽい愛の囁きに、脳が沸騰してしまいそう。


心臓がうるさいぐらいにバクバクと音を立て始め、訳の分からない感覚にAは目を白黒させる。


男の子に対しても、こんなドキドキしたことはなかった。頬に集まる熱を冷まそうと、ひんやりとした空気に身を任せて―――



「あれぇ〜?Aじゃん、こんな所で何してるの?」
突如として目の前に現れたのは、全身黒尽くめ、相変わらずの不審者と見紛うような格好の五条先生。


≪チッッッ≫
「いえ、空が綺麗だったので、少し、」


瑠璃が盛大に舌打ちをしたのと、誤魔化すようにAが口を開いたのは、ほぼほぼ同時のことだった。


「星空を見上げる超絶美少女。…いいね、萌えるシチュエーションだ」
当たり前のようにAの隣のベンチにドカッと腰を下ろし、戯言めいたことを口にする。


「はいはい。…それで、先生は任務帰りですか?」


「いや、ちょっと上層部の連中のとこ。――頭が固い爺さんたちの相手をするのは疲れるよ、ホント。…ん?A、なんか顔赤くない??」


ウンザリといった様子で愚痴をこぼしていた五条が、ふとAの赤く染まった白い肌を見て、首を傾げる。



目隠しをしているのと、あたりが暗いのとで五条の表情はよく分からないが、その仕草だけは分かった。

逆に、薄暗い中でもAの白い肌はよく映えるということだろうか。



「えっ?…あっ、いやっ、これは…その、何でもないんです、はい。そうだ、なんかこの辺ちょっと暑くて。それで赤くなっちゃったかなー、なんて」


今に限った話ではないが、Aは噓をつくのが超弩級に下手である。
それだけ心がピュアなのだと言われれば聞こえがいいが、こういった時にはなかなか厄介で。


「誤魔化すのは先生、感心しないなー……あっ、もしかして僕がカッコイイから照れてるのかな?」


「それは全く全然これっぽちも微塵もサラサラ違います」


「冗談だよ。そんなに滅茶苦茶否定されたら僕も傷付くんだけどな〜、先生傷付いちゃおっかな〜?傷付いちゃうよ?」



瑠璃に甘い声で“愛してる”なんて囁かれたから照れてます、なんて口に出すのは絶対にお断りである。なぜなら恥ずかしいから。

▼→←#43 星空の下の対話



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sou(プロフ) - わぁー!!!もうめっちゃ素敵な作品!!!見ていてにまにましてしまいます!!夢主ちゃんもすごく素敵な子で見てみて夢があって楽しいです!!一つだけ!!37ページの綺麗が奇麗になってます! (2022年2月18日 11時) (レス) @page37 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - sさん» あっ、そうなんですか!?では、ギリ禁断ではないってことですね!新知識です、教えてくださり、ありがとうございます!!はい、頑張りますありがとうございます!! (2021年3月28日 17時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
s - コメント失礼します。とても面白いです!彼氏疑惑はこっちまでなんかヒヤヒヤしましたwでも従兄弟同士って法律上は結婚できたような… これからも更新頑張ってください! (2021年3月28日 16時) (レス) id: 82fa48879c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 43yomi1さん» し、幸せです滅茶苦茶光栄ですっ!!はいっ、頑張ります!これからもよろしくお願いします!! (2021年3月4日 22時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…滅茶苦茶面白くて、更新楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!応援してます!!!!!! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月28日 23時

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