【呪術廻戦】 未知の呪物を取り込んでしまった…3

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形の良い眉毛が凛々しく吊り上がり、狗巻をかばうように伏黒を正面を見据えるA。



「そんな酷いこと言っちゃダメでしょう。――狗巻先輩は、この、弟(・)みたいに可愛らしいところが良いところなのに！」


「ぐはあっ！？」


突如として、吐血して倒れる狗巻。それを見て、「先輩、どうしたんですか！？」と焦るA。


しばらく彼を優しく揺さぶった後、顔を上げて伏黒を非難するように口を開いた。


「ほら、伏黒君がひどいこと言うから、狗巻先輩倒れちゃったじゃない」


「いや、今の確実に止め刺したの雪音だよ？」


虎杖の言葉に訝しげに眉を寄せるAはきっと分かっていない。「弟」という言葉で、遠まわしに脈なし宣言をしたことを。



訳が分からない、とでも言うように一度首を傾げた後、狗巻に向き直るA。


その白魚のような指で狗巻の色素の薄い髪にそっと触れ、そのまま頭を直接撫で始める。


そんな慈愛に満ちた彼女の傍に擦り寄っていく狗巻。



そんなスキンシップに、少し前まではやきもきしていた虎杖達ではあったが、彼女の言葉を聞いてから見てみればなるほど、この光景も、姉が弟を慈しみ、愛おしむ姿に見えなくもない。ってかそうとしか見えない。



何かと不憫な狗巻に同情の念を抱くが、Aの言葉に安心する自分がいることも事実だった。


「じゃあさじゃあさ、俺は？」


興味津々と言った風に目を輝かせて虎杖がそう尋ねれば、Aは手を止めずにしばらく考え込む。


「うーん…虎杖君も優しくていい人だけど、狗巻先輩とは違って、時々物凄く心配かけたりするから…」


途中、恨みがましそうな目になったので、首をすくめる虎杖。



「――元気一杯の、息子？」


「ぶっ！？」


狗巻と同じく、突如吐血して倒れる彼に、ギョッとしたようにAが目を見開くが、それどころじゃない。



「息子」だなんて、弟よりひどいではないか。狗巻を憐れんでいる場合じゃなかった。


全く恋愛対象として見られていないことは何となく分かっていたが、実際言葉にされるとかなり精神的ダメージが大きい。



狗巻、虎杖と二人続けてぶっ倒れたのを横目に、「俺はどうだ？」と尋ねる伏黒。



またもや考え込むAを、伏黒はじっと見つめている。

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