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▽続き ページ10

「それじゃあお言葉に甘えて…っと」

立ち上がって彼女の背後に回り、その白金の髪にそっと触れる。


想像していたよりもAの髪はずっとサラサラで、まるで水を梳いているかのように、抵抗なく指が通る。


掬いあげればしゃらり、と高貴な音を立てて掌からこぼれ落ちるのも、何とも言えず良い。


しばらく夢中になってAの髪を触っていたが、急に今自分がしていることを思い返し、はたとその動きを止める。


呪霊に髪を梳かせる人間なんているだろうか。ましてや呪術師だなんて。
そう考えると、腹の底から笑いが込みあがってくる。


喉の奥をくつくつと鳴らしながら笑う真人に、不審そうな顔をしながらも星を見続けるAが余計に、笑える。


「何が面白いの?」
あまりにも真人が長い間笑い続けているので、とうとうAがそう尋ねた。


「君だよ、A。君ってほんと変わってるし、面白いよね。…もっともっと知りたくなってくる、Aのこと」


どれほど強いのか、どんな能力を使っているのか。…彼女個人のことも。


胸にこみあげる熱、これを好奇心と呼ばずして何と呼ぶ。


耳元で低く囁かれて、それがこそばゆかったのか、Aはピクリと肩を震わせた。


(なんかこれ以上ここにいると危険な気もするし、もう夜も遅いからそろそろ帰ろっかな)

湧き上がる好奇心に興奮する真人に、本能的に危機を察知したのか、高専に帰ることを決意するA。

「それじゃあ私、これぐらいでお暇させて頂くから。…さよなら」

「残念、もう帰っちゃうのか。――おっと、その前に」

立ち上がって元来た方向へ帰ろうとするAの腕を、グイっとこちらに引き寄せる。

「今日、俺とここで会ったことは秘密にすること。…オーケー?」

「え"」

帰ったら早速釘崎に、「聞いて〜、今日はやけにフレンドリーな呪霊に会ったの!」と話に花を咲かせるつもりだったのに。

「え、じゃないの。…ほら、約束しよう、指切りげんまん」

ほぼ無理矢理に小指同士を絡めさせられて戸惑うAだったが、真人は満足そうだった。



「それじゃあ、またねー!」

またね(・・・)?」

Aとしては今夜限りの不思議な友達、的な感じだと思っていたが、彼は違ったみたいだ。

(まあでも、もう会うことはたぶんないよね)

上機嫌な真人に見送られながら、帰路へ着いたのだった。

#22 困った酔っ払い先生→←▽続き



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ゆきのふ(プロフ) - めちゃくちゃ分かります、私もしれっと挟まりたいです… (2021年3月6日 14時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
- 棘先輩と全力抱きしめ(助走付き)羨ましい…!棘先輩も夢主も羨ましい…!!間に挟まれたい…← (2021年3月6日 13時) (レス) id: df01ca2639 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ありがとうございます!応援しています! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 安仙任さん» 少し先になってしまうかもしれませんが、やってみますね!! (2021年1月5日 22時) (レス) id: 2041975419 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ストーリーでお願いします(。。) (2021年1月5日 22時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月4日 13時

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