▽続き ページ37
「それにしても、よく五条先生にバレなかったよな〜。俺が宿儺を取り込んだ時、あの先生顔を近づけただけで分かってたぞ」
一通りAが落ち着いたところで、虎杖がしみじみとそう言った。
Aの涙もようやく収まり、そんな彼女は親指を立てながら虎杖に説明をする。
一番大事な秘密を彼に知られてしまったのだから、この際、もうすべて話してしまおうと思う。
それだけの信頼に値する相手だと、Aはそう思っている。
「それに関しては大丈夫。私の魔眼があるから」
「マガン?何それ」
「これは生まれつきのものなんだけどね…」
「すっげーーーーー!!それって雪音が超能力者ってことじゃん!!じゃあじゃあ、透視とかもできちゃうってこと!?」
「エッヘン、もちろんできちゃうよ」
≪A…。そんなぺらぺらと自分の術式話しちゃっていいわけ?≫
どこか呆れたような瑠璃の声に、Aは頬を軽く膨らませて答える。
「いいの。ほら、情報の開示は術式の力を底上げする、的なことを誰かが言ってたし」
≪それはあくまで、敵に対してってことだったと思うけど…≫
「いいの、細かいことは気にしないタイプだから」
≪ちょっとは気にした方が良いわよ≫
「Aって独り言とか多いなあって思ってたけど、そういうわけだったんだな」
「うん、そういうわけだったの」
これでもう、虎杖の前では何も躊躇わずに瑠璃と話せる。気を使う必要なんてない。
「それで、魔眼の話に戻るけど…」
「うんうん、なになに」
子供のように目をキラキラと輝かせて話をせがむ虎杖を見ていると、なんだか誇らしい気分になってくる。
「ねえねえねえ、透視ってぶっちゃけどんな感じ!?見つめると向こうの風景が脳に入ってくんの!?」
「んー、イメージでいうと、透かしたいものがものがガラスのように瞳に映るっていうのが一番近いかな?ほら、ガラスって透明だから、向こうの景色が透けて見えるでしょ?あんな感じ」
「じゃあじゃあ、あの木の扉も透かして奥を見れちゃう感じ!?」
「ンフフ、もっちろん。試しにやってみるね、別に見慣れてる光景だとは思うけど…」
魅入られるほど深く、宝石のように淡いブルーの瞳がほんのりと発光し、“透視”が発動する。
その様子を虎杖はワクワクしながら見つめる。
そして、目にした。その美しい横顔が、真っ青に染まっていくのを。
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ゆきのふ(プロフ) - めちゃくちゃ分かります、私もしれっと挟まりたいです… (2021年3月6日 14時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
斎 - 棘先輩と全力抱きしめ(助走付き)羨ましい…!棘先輩も夢主も羨ましい…!!間に挟まれたい…← (2021年3月6日 13時) (レス) id: df01ca2639 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ありがとうございます!応援しています! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 安仙任さん» 少し先になってしまうかもしれませんが、やってみますね!! (2021年1月5日 22時) (レス) id: 2041975419 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ストーリーでお願いします(。。) (2021年1月5日 22時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月4日 13時