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「何で止める!!」
「それ以上進むな。――巻き込まれるぞ」
虎杖とAを背後に庇い、そう言った東堂に息をのむ2人。
――――術式順転・蒼、術式反転・赫。
「虚式・ 茈」
恐ろしいぐらいのエネルギーがこもった攻撃、その威力にあんぐりする虎杖とポカーンとするA。
「相変わらず、規格外だな」
クックッと楽しそうな東堂だったが、全然何も楽しくない。
…瑠璃が規格外なら、五条悟もまた規格外。
次元の違う強さに、改めて自分の非力を認識してしまうAなのであった。
(ふぅ〜ん、なかなかやるじゃない。…私には効かないけど)
瑠璃の場合、氷泪晶・零があるので、呪力による攻撃は一切通じない。
あくまでそれは自分と同等級かもしくはそれ以下の相手の場合だが、五条悟が瑠璃の上というのは、やっぱり信じ難いし、信じたくない。
Aにとっての最強というのはやっぱり瑠璃で、そうであってほしいとさえ思っている。
とにもかくにも、これで事態は一旦落ち着いたということで――
「虎杖君!!」
未だ五条の技にあんぐりと口を開け、放心している彼に思いっきり抱きつく。
「っえ!?いや、あの、ちょっと、ええ!?ゆ、雪音!?どしたんだよ、急に…」
「ちゃんと生きてる。生きててくれてる。虎杖くん、虎杖くん、虎杖くん…」
「そんな名前呼ばなくても聞こえるし、俺は生きてるよ?」
サプライズの時は怒りの方が強かったが、今になってこみあげてくるのは喜び。
別れるとき、「次死んだら殺す!!」と叫んだ伏黒の気持ちが痛いほどによく分かる。
Aだって、もし虎杖がまた死んだら、彼を氷像の刑にしなければ気が済まないところだった。
虎杖は虎杖で、かなりあたふた状態だ。
女子に抱きつかれるなど、そうそう経験できるものではない。ましてや相手は、仄かに気になっている少女である。虎杖だって健全な高校生男児、ドキドキしないわけがない。
「マジでほんと、ごめん…。――もう2度と、絶対に死なないって約束するから。心配もかけないようにするから。ホントに、約束する」
華奢な体をおずおずと抱きしめ返し、決意を込めた瞳でそう断言する虎杖に、Aも顔を上げる。
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ゆきのふ(プロフ) - めちゃくちゃ分かります、私もしれっと挟まりたいです… (2021年3月6日 14時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
斎 - 棘先輩と全力抱きしめ(助走付き)羨ましい…!棘先輩も夢主も羨ましい…!!間に挟まれたい…← (2021年3月6日 13時) (レス) id: df01ca2639 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ありがとうございます!応援しています! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 安仙任さん» 少し先になってしまうかもしれませんが、やってみますね!! (2021年1月5日 22時) (レス) id: 2041975419 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ストーリーでお願いします(。。) (2021年1月5日 22時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月4日 13時