#26 ビッグサプライズ ページ23
遅ればせながらの登場に、京都校の引率者である庵は嫌そうな顔を、三輪は嬉しそうな顔をする。
「やあやあ皆さんおそろいで。私出張で海外に行ってましてね」
「急に語り始めたぞ」
パンダのもっともなツッコミが入る。A的にはカートの中身が気になるが、魔眼で透視するまでもないかと思って、五条に向き直った。
彼は京都校のメンバーに、とある部族のお守りだとか何とかいう、変な人形を渡し始める。
スノーの方が1億倍可愛い、なんて心で思ったがあえて口には出さない。
「そして東京都の皆にはコチラ!!」
「ハイテンションな大人って不気味ね」
釘崎の意見にAも激しく共感である。
いったい何が入っているのだろうとAは顔を上げた。
蓋がバゴオッとひとりでに開き、Aは目を見開く。
「故人の虎杖悠仁君でぇーっす!!」
「はい!!おっぱっぴー!!」
――絶句した。
京都校のメンバーはお土産に夢中、そして東京校のメンバーは揃って同じ顔をしているだろう。
京都校の楽巌寺学長が腰を抜かしそうなほど驚いていたが、それよりも。
Aは静かにスノーに何かぼそぼそと囁く。スノーはそのままトコトコと虎杖の方へと近づいていった。
想像していた感動の再開にならず、がっくりしている虎杖はすぐに気付き、
「なになに、雪音の人形じゃん!俺のこと歓迎してくれるの?」と期待に満ちた目でスノーを見つめる。
愛くるしい仕草で手を伸ばす人形を虎杖が抱き上げる。そして――、
「シッッ!!」
「ぶへっっ!!??」
虎杖の左頬に、強烈な右ストレートが決まる。完全に不意打ちだった虎杖は防御することなどできず、もろにそのパンチをくらった。
モフモフの柔らかい手だが、Aの呪力が籠っているので威力はかなり高めである。
「いってえ!!な、なにすんだよA……っ!?」
殴られた意味がよく分からず、Aに抗議しようと俯いている彼女の顔を覗き込んで、今度は絶句するのは虎杖の方であった。
――Aは、その宝石をはめ込んだような蒼碧の瞳を、涙でいっぱいにしていた。
371人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきのふ(プロフ) - めちゃくちゃ分かります、私もしれっと挟まりたいです… (2021年3月6日 14時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
斎 - 棘先輩と全力抱きしめ(助走付き)羨ましい…!棘先輩も夢主も羨ましい…!!間に挟まれたい…← (2021年3月6日 13時) (レス) id: df01ca2639 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ありがとうございます!応援しています! (2021年1月6日 12時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 安仙任さん» 少し先になってしまうかもしれませんが、やってみますね!! (2021年1月5日 22時) (レス) id: 2041975419 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ストーリーでお願いします(。。) (2021年1月5日 22時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきのふ | 作成日時:2021年1月4日 13時