＃20 喫茶店での出来事 ページ2
それは、虎杖が死んで数日がたったある日のことだった。
任務もなく、かと言って高専にいるのもためらわれて、私服姿で街をぶらぶら歩いていたのだ。
昼食をまだ済ませていなかったことに気づき、どこか手ごろな場所はないかと少し歩き回った後、結局は一番近くにあった喫茶店を選んで中に入る。
無難にオムライスを頼み、それが思っていたよりもずっとおいしくて、頬が緩んだ。
未だ心の傷は癒えないが、それでも、少しずつ立ち直っているところだった。
自動ドアが開いて音が鳴り、何気なくそちらを向いた瞬間、Aの脳みそはフリーズしてしまう。
袈裟のようなものを着た黒い長髪の男性と、後は呪霊が3体。それも全部、特級クラスの。
どうしてこんなところに特級呪霊がいるのか、という疑問よりもまず最初に湧き上がるのは、純粋な恐怖。
もちろん店員に呪霊の姿が見えるはずもなく、「1名様で宜しいでしょうか」なんて吞気に尋ねている。それに対して男も「はい、1名で」なんて平然と答える。
特級呪霊3体に自分が立ち向かっていっても適うはずがないし、瑠璃に代わるだなんて言語道断。
下手に関わらないようにしようと、そう心に決めた。というのに――
(なんで隣に座るのよ…っ)
よりにもよって、彼らはAの隣のテーブル席に腰を下ろしたのだ。
周りからすれば、1人客だというのにテーブル席に座る迷惑なお客さんのように思われているのだろうが、男は全く気にする様子がない。
(いや、そこはもうちょっと気にするべきでしょうが…っ)
呪霊達と男は何やら話をし始める。
人間がどうとか、負の感情がこうとか、言っている内容はよく分からない。しかし、自分も呪術高専の者、呪術師の端くれであるので、完スルーというのもどうかと思う。
よって妥協案は、深く関わらないようにしつつも、出来る限り聞き耳をたてる、ということになった。
「戦争の前に2つ、条件を満たせば勝てるよ」
(戦争！？)
えらく物騒なワードが飛び出たものだ。第三次世界大戦が起こるのだろうか、やっぱりアメリカと中国かな、なんてぼんやりと考えかけて、慌てて首を振る。そんなこと言っている場合じゃなかった。
「何なんだ、その2つの条件とやらは！！」
そして先から、一つ目小僧のお爺さん版みたいな呪霊が頭から噴き出すマグマ？が、室内の温度を高くしている。
最早冷房が無意味なものとなってしまうほどだ。
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ゆきのふ(プロフ) - めちゃくちゃ分かります、私もしれっと挟まりたいです… (2021年3月6日 14時) (
レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
斎 - 棘先輩と全力抱きしめ(助走付き)羨ましい…！棘先輩も夢主も羨ましい…！！間に挟まれたい…← (2021年3月6日 13時) (レス) id: df01ca2639 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ありがとうございます!応援しています！ (2021年1月6日 12時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 安仙任さん» 少し先になってしまうかもしれませんが、やってみますね！！ (2021年1月5日 22時) (レス) id: 2041975419 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - ストーリーでお願いします（。。） (2021年1月5日 22時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきのふ | 作成日時：2021年1月4日 13時
