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「はあ、今日もカッコいい…」

相も変わらず、同じ時間にこうやって彼を

本棚の陰から見つめるのが私の日課。





毎日じゃないから、日課ではないのかな??





まあそんな些細な国語力の違いは置いといて。




名前を知ることができなくったって、

こうやって見つめていられたらそれでいいと思えるほど、彼は美しい。





「外国文学、読んでみたいけど、ちょい難しいんだよな…」

彼が読んでいるような本を読めば、

彼が見ている世界を共有できるかな、なんて、

どこのロマンチストやねん!みたいな考え方をする私。




「私にはまだ早いかな〜…」

外国文学は、私にはすごく難しく感じられる。

無理して読んでも楽しくないし、

かといって初級レベルがどれかも分からない。





早々に諦めて、席に戻ろうとして――――

「これとか面白いんじゃないかな。読みやすいしね」



甘くてひんやりとした、半透明の氷砂糖みたいな声。…どんな声?

我ながら詩的な表現だなとか、

そんな言葉が一気に吹き飛んだ。



呼吸がうまく出来ている自信が無い。

喉が詰まって、上手く発声できない。



――――透き通るような美声の持ち主、

私が夢にまで見た“彼”が、目の前に立って、微笑んでいた。









「『老人と海』。後は、カフカの『変身』とかもいいね。他には―――…」



その後のことは、ふわふわとしていてよく覚えていない。

お互いに名前を名乗って、

なんと連絡先まで交換して、

なななんとそれから一緒にお昼ご飯まで食べて。



一つ確かだったのは、それはそれは夢のような時間だったということだけ。





…その日の夕方、物凄い勢いで自分に

突進してきたAに、硝子は目を丸くする。



「〜〜〜〜っ!〜〜〜っ!――△#★%○▼♡☆□×$&…」

「お、落ち着け、何?何があったの?ゆっくり話して」


興奮のためか、訳の分からない言葉を発していたAは、

自分の携帯を開き、1枚の写真を

押し付けるように、硝子に見せようとする。

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白音 - すっごく面白い!!更新、楽しみにしています!! (11月19日 17時) (レス) id: 24b42eab7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - さくらのきういさん» いえいえ、全然同担拒否とかじゃないです、むしろ好きなものを共有することができる人がいるって凄く素敵で嬉しいことですよ!!ですよね、エヴァ自体、ストーリーを良く知っている人がそんなにいないんですよね…。この作品を好きだと言っていただき、嬉しいです!! (2021年6月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
さくらのきうい - カヲル君カッコいいですよねー。学校で話しても誰も知らなくって。あっ同担拒否とかじゃないですか?そうだったらごめんなさい。この作品すごく好きです!応援しています! (2021年6月26日 9時) (レス) id: 65d75c56ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - リリさん» 好きすぎるだなんて…照れます(*´ω`)面白いと言って下さり光栄です、ありがとうございます!! (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 赤ちゃんさん» マジですか!?良いかもですか!? (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ x他1人 | 作成日時:2021年1月19日 13時

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