爆豪勝己の双子の妹は無個性だった話 (ページ41)

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八つ当たりページ41

『焦凍？』

｢…Aか｣

壁に背を向け座り込んでいる轟を見つけ目の前に同じ体制で座り込んだ

『どうかしたの？』

｢…おれは｣

『…？』

｢お母さんを…追いやった｣

『…』

｢緑谷は関係ねぇのにな…なんか突っかかっちまう｣

『デ…緑谷は気にしてないと思うよ？』

｢おれは…あいつの言う通りにはなりたくねぇっっ思い通りになんか！｣

『落ち着いてよ…これから試合なんだし』

｢もやもやして気持ちわりぃんだ…おれはどうすればいいんだっっ｣

こんなに…悩んでたのか

なんで

『もっと頼ってよ…もっと早く…頼ってよ！』

肩を掴み焦凍の体を揺さぶった

焦凍は顔を上げると冷たい目がこちらを向けられ少し怖くなった

出会った頃の焦凍と一緒だ

『わたしは…あなたを救いたいのにっ…』

｢俺だって…｣

『え…？』

｢俺だってお前の事なんも知らねぇぞ！｣

手を振り払われ逆に肩を掴まれるとそのまま押し倒された

『ちょっ』

｢俺だって…まだ、お前の事ちゃんと知らねぇ…やっぱ爆豪がいいのか｣

『なに…それ…そんなこと！』

｢ちげぇのかよ…っ｣

ギリッと力がこもるのがわかる

痛い

なんだよこれ

｢俺だって…俺だって｣

『自分のことを守れないやつが他人を守れるか！』

｢！｣

ﾊﾟﾁﾝｯ

乾いた音が響いた

おれ、何やってんだ

Aの事大切なのに

昔から大好きなのに

自分の気持ちが押し切れなくて

他人にあたって

『っ…バカ』

俺を無理やり押しのけるとAは走って消えていった

緑屋と心操とか言うやつの試合を見に行ったのだろうか

｢っ…俺、さいてーだな｣

ヒリヒリと手のひらが傷んだ

これじゃ一緒じゃねぇか