冷たさは季節によっては敵に回す 【青キジ】１ ページ17
気温が段々と下がってくるこの秋。秋という期間は短く二か月もすれば過ぎ去ってしまうような、気温は凄く丁度良くて好みなのにそれはあっという間。
様々な木々の葉が黄色や橙色に色付いてきた頃、綺麗だなと眺めていると自分より大きめのごつごつした手が後ろから頬に伸ばされた。
触れられるとそれは凄く冷たい。
「……冷たっ…？！」
「おっと、ごめんよ。そんなに冷たかったか？」
「ま、まあ能力だから元々そういう温度っていうのもあるし仕方ないけれど…」
ヒエヒエの能力者で触れたものは何でも氷結させてしまうくらいだから体温も平均よりは低いだろう。しかし冬になってこの手で触れられてしまうと冷たい上に、寒い。
つまり寒い時に触れられると…まあ申し訳ないが触れられることを少し躊躇してしまうのだ。
これは決して本人クザンが嫌いなのではなく、能力の問題なので避けているわけではない。
自然と寒いとサカズキの部屋が暖かくて居座ったこともある。逆を言えばサカズキの能力だって夏は地獄。クザンは冬が地獄。
一応そこまで氷のように冷たいわけではない、が凄くあったかいとは言えないのは悲しき現実。
もう一度、触れようとしてきたのでついストップをかけてしまった。
「………やっぱり駄目？…はー……この季節だと自分の能力が恨めしく思うぜ」
「ごめん、クザン。その…クザンが嫌いってわけじゃないんだよ、体温が少し低いから寒いってだけで」
「それ俺の能力だからじゃないの、だから傷ついてんのよ…」
毎年何だか申し訳ない気持ちになるが私だって抱きしめたい。でも寒い。いやでも決して拒否しているわけではないからさ？ただ寒いだけで。…寒いだけで。
どうにかして今年こそクザンと触れ合える方法を実現させなければ。この時期になるとクザンが何処か寂しそうで、何かもう見ていられない。こんな毎年訪れる落ち込んだ季節来なきゃいいんだけど。
寒さを感じない方法、ねえ。そう考えながらそんな薬なんてないよなと思考する。
そしていつの間にかサカズキの部屋に入っていた。
「またおどれか、A。…ほうか、もうそんな時期になってきておるんじゃのう」
「まさか私を目安にしてない？ねえ、クザンを落ち込ませない方法とかある？」
「この時期だと毎年クザンにとって最悪の時期じゃったな、わしらで飲んどる時のアイツの愚痴がほぼそれだった気がするが」
「その気持ちに追い打ちやめて…しんどい」
嘘よりはええじゃろうが、と言われ何も言えない。
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零猫(作者1)(プロフ) - ねむさん» 有難う御座います！師走で何かと忙しいですが、またチマチマ頑張っていきます！ (2022年12月10日 12時) (
レス) id: 909ea21d0e (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 次の更新も楽しみにしています！ (2022年11月29日 9時) (レス) id: 5d4dcca220 (このIDを非表示/違反報告)
零猫(作者1)(プロフ) - 碧.さん» その言葉で大変頑張れます！( ᷇࿀ ᷆ )貴方の勇気が私の活力になりましたので、またお話が思い浮かんだら更新していきます！！( 'ω') (2022年11月6日 23時) (レス) id: f107f7bb54 (このIDを非表示/違反報告)
碧. - 何時も楽しく読ませて頂いております！ずっとコメントしたかったのですが勇気がでず今日やっとコメントが出来ました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)旧三代将もウタも大好きなのでこれからも更新楽しみにしています！ (2022年11月5日 23時) (レス) id: 7eb027a135 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 零猫(作者1)さん» 新しく更新されたのも最高でした！ありがとうございます！ (2022年10月22日 17時) (レス) @page20 id: 8adf995a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零猫(作者1) | 作成日時：2022年10月15日 18時
