【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ48)

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●長い時を経た愛は黒ずんで。　【黄猿】！注意！ページ48

【過去海兵だった海賊夢主と中将だった現大将の話】
※ボルサリーノがヤンデレです。ご注意ください。大将に昇格する経歴は捏造です。

それは十五年前に若い海兵が五年間、海軍でしっかり励み中将時代のボルサリーノと仲が本当に良かった話。
名はAといい、自身の能力を入りたての頃から完璧に使いこなしており全ての同期を打ち負かすくらいの才能を持っていた。その頃から海軍の中では注目を浴びており一目置かれていた程。
それを興味深く見ていた当時の中将、ボルサリーノはAに話しかけて関りを持ち始めた。
初めの頃から少しだけ惹かれていたのだが話していくうちに、どんどん深く惹かれていく。しかし歳の差はニ十以上も離れていた為か若干、諦めていたが。
それでもさりげなく、好きな事を何となく伝えると結果は脈ありだったようで人生最大の喜びはその時だったと言っても過言ではないだろう。
………だが、五年経ったとある日。ボルサリーノが大将へ昇格する日と共に彼女は消えた。
勿論、能力を全力で駆使して探したのだが見つからない。
その時はかなりのショックで暫くはあまり本調子にならなかったかもしれない。その後に彼女は海賊になっており、その事実に更に衝撃を受けたのも鮮明に覚えていた。
あんなに海尉を上げたいと言っていた子がどうして。そう思っていたのだ…そこで思いついた。
いっそ彼女を＿＿＿…

そして時が経ち１０年。シャボンディ諸島に行った時の事。
何処か懐かしい見慣れた姿があり、その人物へ咄嗟に振り返る。

「………A？」
「ッ…！」

お互いに確信した時、彼女は逃げ出す。
しかしこの能力を前に無力な事は彼女が一番知っている筈なのに走って逃げるだなんて。…そもそも久しぶりの再会なのに見た瞬間に逃げ出すっていうのもどうなんだろう、とボルサリーノは思う。
裏路地へ逃げ込む彼女に光の速度で追いつき、後ろから覆い被さるように抱きしめた。

「…随分と久しぶりだねェ、A？今は海賊なんだって～？海兵を辞めた理由も聞きたいところだけど」
「１０年ぶりだね、ボルサリーノ。活躍は耳に届いてる……大将昇格、おめでとう」
「うん、ありがとォ～。一人でもしかして海賊をやっているのかい？」
「そうだね、他の人と深い仲になりたくないから。でも数人とはまぁ……あ、遠征で此処に？」

この状況で普通に話し合えていることが凄いとは思うが、この状況で逃げられないことくらい彼女は知っている。余計な抵抗はしない。