【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ41)

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ウシロの正体は？　【１】ページ41

いよいよ処刑当日。インペルダウンから海軍本部へ引き渡されたAは職員に「お世話になりました。壁に書き殴ってしまった文字はお手数ですが“残らず”消しておいてください」とだけ言い残した。
連行中、その船にはガープが居たが声を掛けてもAは何も喋らなかったという。
処刑台が用意されていた海軍本部、マリンフォード。見えてきた景色に目を向けるとあの場所で自分の生涯を終えるんだな、とだけ思った。
ゆっくりと登壇して静かに座る。嗚呼、三大将がなんて顔をしているんだろう。
険しくて酷い顔だ。それ怒りの顔じゃないし、もっと憎む顔をしてくれたら良かったのにな。そう思考しながら中将は小さく笑った。

「…今まで見た表情の中で一番の不細工。最後まで私じゃないとでも思ってたの？馬鹿だなあ、自分の実力試しについ出来心でやっちゃっただけだよ。別の顔を見抜けなかったなんて長く見てきた大将としてどうなのかな」
「なッ…！A…！」

驚きと少しは怒りの顔を見せてくれたことに満足した中将はただ前を向く。さあここまでの“カウントダウン”は長くも短かった。ねえ、誰か気付いて。
そして、ついに処刑は執行される。

「これよりAの処刑を執り行う」
「………」

刃を持つ者がAの前に交差する。その刃は上に、その時にAにだけ聞こえた言葉。

「今までお疲れさまでした、A中将♪」
「まさかお前が＿＿＿＿ッ！」

そう呟いたのも間に合わず私の命は紅が彩り共に刈り取られ、人生の幕を閉じたのだった。

インペルダウンの彼女が居た場所。看守が最後に見たのは

「“私違う、真犯人はまだ海軍に潜んでいる”」

【ＥＮＤ】

…＿＿＿＿＿＿救われる人生に、巻き戻して。