【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ37)

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増えているバナナ　【黄猿】（ギャグ寄り）ページ37

ボルサリーノの執務室にはバナナがあるが、彼の好物であることは知っていたため特に気にしていなかった。
しかしある日朝ごはんを食べずに来てしまっていたため凄くお腹が減ってしまった。目の前のバナナが美味しそうだ、一個食べても良いだろうか。なんて思いつつ彼は今、遠征中。
食べよう。今日帰ってくるらしいがクザンが食べたことにしておこう胃が限界だ。
そっとバナナを一つだけもいで皮を剝き、一口齧る。

「！何これ…このバナナ今まで食べた中で凄く美味しい。まさか高級バナナか…！」

あまりにも美味しくてもう一つと手が伸びてしまう。確実にバレるが美味しすぎて凄いのだ。
こんな美味しいバナナを毎回食べられているボルサリーノが羨ましい…バナナが好きになりそう。
あっという間に一房の半分を食べてしまい、気付いた時にはもう取り返しがつかない。
帰って来た時にはもう大急ぎで退勤しようと決意して思い切り走りながら、執務室へ戻るが途中ですれ違うスモーカーとたしぎに何事かという目で見られた気がする。

「よし、超特急で今日の仕事を終わらせる！」

しかしまさか、私がすたこらさっさと退勤する少し前にはとっくにボルサリーノが帰ってきていたなど必死過ぎていた私は気付かなかったのだった。

その頃、ボルサリーノは遠征から帰ってきた後に自分の執務室を開けて自分の好物が少し…いやかなり減っていると気付く。

「……おやァ～？おっかしいねェ～わっし、こんなに食べてないのによォ」

ンー、と言いながら顎に手を当てて考える仕草をしてから犯人が誰なのか少し探そうと思った。
大将の執務に入ってバナナを食べるなんてそんな命知らず、大体限られてくるので虱潰しに目撃者や食べたか聞きまわる。

「クザァ～ン？わっしのバナナ食べたかァい？」
「何でそう思うんだよ、アンタの好物を俺が食べるわけないでしょ」
「だよねェ～ありがとォ」
「(そもそもボルサリーノ何で俺を疑ったわけ…？)」

その後はスモーカーに聞く。

「ねェ、わっしの執務室に今日誰が出入りしたか分かるかァい」
「あーそういや、大急ぎでAが今日走り抜けていったな」

完璧にAか、と踏んだボルサリーノはゆっくりとAの部屋へ向かう。
そんなことを露知らずに帰ろうと書類仕事を頑張っているAの元へ、その足音は迫る。

「…っよし、終わった！！鉢合わせる前に帰ろう！」
「誰と鉢合わせる前にだァってぇ～？」
「げっ？！ぼ、ボルサリーノ…」