【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ30)

今日:17 hit、昨日:3 hit、合計:41,137 hit

続き5　【署長室】ページ30

全体がデカいなこの部屋は…と思いながら入るとマゼランが既にお待ちかねでAは頭を下げた。

「話は聞いているぞ。海軍本部から急に失踪したA中将で間違いないな？」
「ええ、海軍本部中将のAで間違いないわ。迷惑をかけてごめんなさい…経緯と共に理由も話す」

先程に説明した通りの話を全て話し、好い加減にAは口が疲れてきたが納得してくれたようだ。
しかし驚きの事実が告げられる。

「…すまない、そのような理由があるとは思わなかった。そのだな…」
「ま、まさか署長…」
「本部に連絡したってことじゃない…わね…？」
「…した。本当に済まないA」

その部屋では絶望の声が響いた。サディちゃんとハンニャバルが同情して励ますという普通はない状況になり、どれくらいで来るんだろうと焦りながら考える。
考え抜いた結果、此処から逃げ出すしか選択はない。
此処に監視カメラは多いし不具合だと言って押し通せる気がしないし迷惑をかけ、信頼を損ねると思い隠れるという選択をしなかったAは此処から今すぐ立ち去ると宣言した。

「えっ、でもそんなすぐには来ないんじゃ…ここまで少なくとも数時間は掛かるはずだぞ。ねェ署長！」
「今すぐにでも出たいのは分かるが、そこまで急ぐ理由は何だ？」
「軍艦ならそうだろうけど、とんでもない人が居るのよ！」
「そんな人居るかしら…」
「こんなにも時間が経っちゃったならもう着いても可笑しくないわ、だって軍艦で来ないんだもの！よし、取り敢えず外に出…」

大急ぎでリュックサックを背負い、その場を後にしようとした瞬間その扉は開いた。その先に居たのは

「た、大将青キジ…？！」
「…クザン」
「A…！急に失踪したと聞いて本部からさっき連絡あったから大急ぎで来たが、お前…本当なんだな？とにかく良かったぜ…帰るぞA」
「お生憎様、帰らないわ」
「あらら…なら力ずくでお持ち帰りしないといけないってわけね。……アイスサーベル」

腕やら顔が氷結していく能力者を前にこのままでは素手で戦うのは危険だと悟る。何か武器はないかとAは見渡して丁度目についた武器。
それを奪って咄嗟に対抗した。

「ッ！ハンニャバルごめんなさい、ちょっと借りるわね！」
「えっ、あっちょっとォ？！」

武装色を纏い思い切りぶっ壊す勢いでぶつかり合いお互い見つめ合う。

「…戻ってきてくれよ、A。俺達はお前が居ないと寂しくなるんだ」
「なら勝手に決めた元帥に言ってくれない？」