【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ25)

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失踪し大将に追われる話（かなり長くなります）【旧三大将】分岐ありページ25

(このお話はかなり長くなります。)

ある日、とある中将に長い間ずっと断ってきた昇格通知が来た。
その紙に視線を落とし見ている中将は暗い目をしていた。まだそのような技量は持ち合わせていないと前から主張し続けていたのだが、恐らく強制的に無断で押し通せば大将になると思い込んでいる…そんな考えはバレバレだと呟き溜息を漏らす。

＿＿＿＿…昇格する当日、一人の女中将が海軍本部から姿を消した。

「今日はAが大将になる日かァ、楽しみだわ。あんな頑なになりたがっていなかったのに」
「だけど今日は朝から見かけてないんだよねェ」
「だがアイツが遅刻するとは思えんが」

３０年以上の付き合いとなる大将たちはこの日を楽しみに、いよいよAも自分たちと一緒に大将へと昇格してくれるのかと待ち望んでいた。
しかし朝から見かけずこの後元帥から呼び出された時、三人は既に嫌な予感がしてしまう。
大将になりたくないから何処かの島に逃げてしまい追え、などだろうかと思いながら。

「単刀直入に言う。………Aが失踪した」
「…は？」
「ソイツは笑えねェ～話ですなァ？センゴクさァん」
「何処かに逃げおったとかではなく失踪、とはどういう意味で言うちょるんですかセンゴクさん…！」

話を纏めるならば朝に姿を見なかった為、Aの部下たちに探してもらったところAの部屋は片付いていて荷物が一個もない状態。
掲げた正義の言葉さえ部屋から消えており、誰も居なかったかのような部屋になっており一言〖本日をもって、海軍を辞退させて頂きます。〗と書き置きされていたそう。行方は分からずじまいだ。
その話を聞いた三大将はしばらく言葉が出てこず呆然としている。今度の彼女は本気だと分かる三大将は頭が真っ白になりこの最悪の事態に頭が追い付かない。
最初に動き出したのはクザンであり、Aの部屋へ突っ走っていったようだった。

「一番アイツの近くに居たのはお前たちだ。尋ね人として懸賞金をかけた紙も既に各地に出してあるから見つかるとは思うが見つかったら…即刻、此処へ引きずり出してやってくれ。私にも今回は非があるからな」
「…分かりました」

まさか失踪するなんて思いもしなかったもので、実感が湧かなかった。ふらりと気の抜けた顔で道草食ってたと元気に現れてきそうな感じがして。
それにしてもどうして毎日あんなに堂々としている彼女が大将をやらないのか昔から不思議だった。
大将の実力は彼女は十分にあるのに。