【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】 (ページ22)

今日:18 hit、昨日:3 hit、合計:41,138 hit

ランダムで一時的に能力者になれる飴を食べた　【赤犬】ページ22

今思えばきっとアレは不思議なソフトキャンディだった。
何だか凄く不味かったしこの世のものとは思えない味。一時間後、変化が訪れ身体の体温が少し熱い気がした。
部下の肩を叩くと手が熱かったらしく熱があるんじゃないのかと心配されて個人的にはそんな体調が悪いとかそういうのじゃないけどな、と悩みながら歩きつつ考えているとふと頭によぎった人物。
…体温とかまるで普段のサカズキなのでは？
そう思ったのでどうせサボっているであろうクザンを探し、つい出来心で前方に火山弾を出してしまった。というかやはりこれはサカズキの能力《マグマグの実》の能力になってしまったのか。

「郡鳥火山！！」
「うおォあ？！」

かっこつけて技名まで言ってしまったのが少し恥ずかしいが、相手は凄く驚いて恐れている人物にバレたのかと焦った顔をしていた。そうなるなら仕事しろと言いたいが。
私だと分かると困惑の顔で見ている。まあそれもそうか、私は能力者でもないから。

「………A？ってマグマグの実の能力者だっけ…？」
「見たことないキャンディ食べたらサカズキの能力を使えるようになってた」
「あらら…酷く簡潔で分かりやすいこったな」
「どうすれば良いと思う？サカズキに突撃するべき？」

少し考えていると、扉を開けたボルサリーノが居た。
一部燃えている部屋を見やり若干、顔を顰めている。そりゃあそうだ、執務室がきっと煙を上げていたのだろうから駆け付けたら火山弾によって燃えている状況なのだから。
クザンは燃えている場所は全て鎮火させて座り込みながら、どうしたもんかねと口を零す。

「わっし、確かさっきサカズキとあったんだけどなァ～…この感じだとサカズキでしょお？」
「…いや、違う。Aが郡鳥火山を飛ばしたんだよ」
「………君ってサカズキと同じ能力者だったっけェ？」
「全く違うけどその、勢い余ってこうなった」

一瞬だけ真面目な顔になったボルサリーノに息を吞む。
こういう時のボルサリーノは真剣に考えているのだろうが、そもそもな話こんな状況じゃ誰でもクザンがあまりにも仕事をせずキレたサカズキの仕業だと思うのではないのだろうか。
いや本当にどうしよう、ふとうっかりマグマ化してしまったら…そう思いながらガックリとしつつクザンへと凭れた。
背中をとんとんしてくれるクザンの手は優しく、これからの事を少しの間だけ考える。

「まあ…効果が切れるまで待つよ、どうせ一日で切れるでしょ」
「あー…だと良いけどな」