10話 ページ10
あれからというもの、気味の悪い実験や食事のあと、ほとんど毎日のように私の部屋の前に現れた。それは今日も。
「大丈夫ですか……?」
細い声で私にそう訊く彼の顔も酷いもので、君が言えたものじゃないだろうと流し、実験の方はどうなのかと聞いた。
やはり六道眼の実験は子供が受けるには早すぎるようで、順調ではいるが、もういっそのこと死んでしまいたい程だ。と返された。
震える体を抱く彼の頭を軽く撫でてやりながら、私は自分が受けている実験のことを思う。
あれは記憶能力に関する実験のようで、頭に衝撃を受けたと思えば気絶、目が覚めると毎回内容の違う分厚い本を渡され、その本に書いてあったことを一字一句間違えずに全て覚えているか、毎回問われた。
そして、間違える度に殴られ、蹴られの繰り返しだった。
「そろそろ消灯時間だよ。帰った方がいい」
この世界に来てから妙に良くなった勘によると、そろそろ消灯時間がくる。
それはつまり、見回りが来るということで、彼は頷いて廊下へと出る。
「Buonanotte」
「……ええ」
今、何時なのだろうか。
この部屋には時計もなければ窓もない。
外が見えないのだ。朝なのか、昼なのか、それとも夜なのか。分からない。
カツカツと足音が聞こえる。見回りが来たようだ。
息を殺して、気配を鎮める。
……行ったか?
遠ざかっていく足音に耳を傾け、天を仰ぐ。
数日のうちにいろいろなことがあり過ぎた。
腕には痣がいくらかあり、じりじりと痛む。
癖になってしまったため息を漏らせば、静かな暗闇の中、私は闇へと溺れた。
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杏 - いえいえー当然の事を言っただけですー喜んで貰えて光栄ですよー それと、音域を広げる練習、頑張ってくださいー諦めずに頑張れば報われるはずですからねー ふむ、来月ですかーコトハ@白亜さんの小説は奥が深いのでーワクワクしますねー楽しみにしてますー (2015年8月21日 12時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます。そう言っていただけると作ってよかったと思えます…ありがとうございます。なるほど、その方法がありましたね…早速試してみようと思います。アドバイスありがとうございます。せめて再来月までに公開できるよう頑張ります…! (2015年8月20日 18時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 大丈夫ですー、ミーも返信遅くなってすみませんー 気に入った作品にコメントするなんて当たり前じゃあないですかー 音域が狭い、ですかーピアノで音を取ると結構出やすいですよーあとは、歌いたい曲を練習してー音域を広げるのもいいと思いますー 続編、待ってまーす (2015年8月20日 15時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます、遅くなってすみません!わわ、続編までコメントいただけるんですか…ありがとうございます!嬉しいです!音痴というか出せる音域が狭いんですよね…なので歌が上手い人羨ましいのです… (2015年8月19日 0時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - はいー、頑張って下さいー続編出来るまで此処を見に来たりしましょうかねー 一番に作品を見に行ってコメントしたいですー…音痴?そんなのカラオケが悪いんですー声の質は様々じゃないですかー (2015年8月17日 11時) (レス) id: 81089b7519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コトハ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年6月13日 17時