月下にて2 ページ46
「ボス」
声がした。
顔を上げると、逆光でよく顔が見えないが、長い銀髪の男がいた。
おそらく目があったのだろう、男が首をわずかに傾けた。
「あ゛？ なんだテメエ……ってこの前の」
近づいて、ようやく彼は私の顔を見れたらしい。
男がわずかに目を見開く。
「ああ、覚えていたの」
「お、おう。まあな……俺は
「……紫苑。よろしく」
ザンザスの背中から手を離し、彼、もといスクアーロに手を伸ばした。
私の行動に気づいたスクアーロは、私の手を握る。手袋を外さなかったのは、その手が義手だったからだろうか。
ふ、と。ザンザスが私から離れた。といっても、背中に回っている腕は変わらず、そのままだったけれど。
どうしたのだろうと首をかしげるよりも早く、ザンザスの足が、スクアーロの腹部へと伸びる。
「っだ！？ こんのクソボス！ なにしやがんだテメエ！！」
ドスッとくぐもった音が聞こえたかと思えば、スクアーロのからだがふらりと後ろに下がる。
握っていた手が離れた。
「るせえ。こいつに近づくな」
「……何を言っているのよ、貴方は」
地を這うような低い声だった。
相変わらず独占欲が強い。しかもその対象が、一回りも年の離れた幼い小娘だというのだから、呆れてしまう。
「それで？」
ザンザスの瞳が私を見据えた。
「お前は壁の花よろしく、か？」
「……まあ、私の存在は公になっちゃいけないみたいだし」
事実、家光からは目立たないようにしてくれといわれた。元よりそのつもりがない私は軽く了承の意を唱え、肩の凝るドレスなんかを着て大人しくバルコニーにいようと思ったのだ。
そうだ、そうだった。私は一人で時間を潰すためにここに来たのに、なんなんだこの状況は。
そんな私たちの会話を聞いて、スクアーロが不思議そうに眉をひそめた。
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コトハ@白亜(プロフ) - 紫蘭さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。一応代理戦争まで書く予定ですが、オチはまだ未定です(笑)ありがとうございます、頑張ります！ (2016年9月23日 19時) (
レス) id: c1b71e2fa1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。代理戦まで続いてほしいですね笑そしてあわよくばXANXUSと付き合わないかなと← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月23日 18時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 一葉さん» はじめまして、コメントありがとうございます。返信遅れてごめんなさい。そう言っていただけると作家冥利に尽きます。ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年6月1日 16時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
一葉 - はじめまして、こんにちは。とても素晴らしかったです!!キャラとの関わり方や夢主ちゃんの設定など、最高でした!!更新楽しみにしています。頑張って下さい!! (2016年5月29日 12時) (レス) id: 2d8db9a382 (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 沢優@主人公最高!!さん» コメントありがとうございます。本当ですか、そう言っていただけると嬉しいです！頑張らせていただきます！ (2016年4月10日 8時) (レス) id: 94ed4c9692 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトハ | 作者ホームページ：
作成日時：2015年9月21日 17時
