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「…何かあっただろ」
顔を上げさせられている為、恭弥君とも強制的に目を合わせられる
「…最近、嫌な夢見ちゃって、」
「…どういう」
夢の内容までは言えず、よく覚えてないけど怖い夢、とだけ言う
それに眉を顰める
「大丈夫だよ〜寝れてはいるから!」
どうとでもないという様に笑うが恭弥君の眉は顰められたままだ
しばらくして溜息をつき私の顔に添えていた手を下ろす、それにほっとする、恭弥君はソファの端に座り直し、自分の太ももをポンポンと叩いた
「来なよ」
「…うん?」
どういう意味かわからず首をかしげる
「僕の足貸してあげるって言ってるんだけど」
むすっとした顔の恭弥君、足を貸すって…?私はその足を貸してもらってどうすれば?そもそも貸すってなんだ、
未だに理解できてない私にしびれを切らした恭弥君に腕を強く引かれ気づけばソファに寝転んでいた
恭弥君の膝枕で、
未だに状況が理解できずに恭弥君を下から見ていると、目元を手で覆われ、しばらくしたら起こすから、と言われた
そんなあの雲雀恭弥の膝というだけで普通の人だったらある意味気を失ってしまうだろう、私とて初めてのこの行為に戸惑っていた、だが睡魔には勝てず少しずつ瞼が下がっていく
頭を軽く撫でられる感覚を最後に私の意識は無くなった
「…さん、Aさん」
体を揺さぶられる感覚と自分の呼ぶ声がする、重い瞼を開く
申し訳なさそうな草壁さんの顔が視界に写る、なぜか顎を怪我している、お昼にはなかったと思うが
怠い身体を起こすと恭弥君の学ランが体に掛けてあった
外は暗くなりかけている
「お休み中の所すみません…18時になったら起こす様にと委員長が、」
「こちらこそ爆睡してしまってすみません…起こしてくださってありがとうございます、ところでその怪我どうしたんですか?」
気まずそうな顔をした草壁さん、そんな中応接室の扉が開く
「帰るよ」
「あ、うん、恭弥君ありがとうね」
学ランを返すとそのまま肩に羽織り、足を進めたので慌てて後をついて行く
「草壁さんもお疲れ様でした!」
「いえ!!お気をつけて!」
(Aさんが寝ているのを知らずに勢いよく応接室の前で声をかけ入って殴られたなんて言えない)
(それにしてもあの委員長が膝枕するのも驚いたがその膝で爆睡できるAさん…やはり只者じゃない)
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作者名：心葉 | 作成日時：2024年3月17日 16時
