Ⅳ今世は人生謳歌したい【REBORN】 (ページ5)

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お昼休みが終わり、青葉先輩達と解散して私たちも教室に戻った、炎真君は早々に自分の席に戻っていった

「恭弥君入るよー」

放課後になり草壁さんに言われた通り応接室に行く、ノックをして一応声を掛けドアを開ける、と背が高い至門中学の制服を纏った女の人が居た

「わ、ごめんなさい」

「いいよ、話は終わりだから」

慌ててドアを閉めようとすると恭弥君がそう告げる

「君面白そうだけど見ての通り僕は忙しいからね、」

女子にそう言い放ち出て行けと手をしっしと振り追い払う、女子の方もわかりました、と言い私に一瞬目をやり私の横を通って応接室を出て行った

「すごくスタイル良い人だったね…ほんとに中学生…?」

「そんなのどうでもいい、それよりこれ」

机には山積みにされた書類がある、片付けろという事だろう

「僕は休憩がてら見回り行くから」

平常運転に苦笑いし、はいはいと返事すると応接室を出て行った

＿＿＿＿＿
＿＿＿

『いい子にしててって言ったよね?』

お母さんが冷たい眼差しで私を見降ろす、謝ろうと口を開く前に髪の毛を引っ張られた

『何でこんな簡単な事もできないの?!』

ごめんなさい、次はちゃんとします、そんな言葉を涙と共に零す

『馬鹿なんだから無理だろ』

突然脇腹に衝撃が来て気づいたら自分は倒れていた、痛くて上手く呼吸ができない、私に衝撃を与えた主が呼吸が上手くできない私の頬を掴み上を向かせた

『お前は黙ってサンドバックの役割果たしとけばいいんだよ』

滲む視界でもその人が笑ってるのがわかる、私が喚けば喚くほど痛いのは続くから、ただ声を押し殺して泣く

私はお父さんにもお母さんにも笑って過ごしてもらいたいだけだった
私が居ない方が笑ってる事に気づいた時には部屋の隅で邪魔にならない様に丸まって座っていた
本当は話しかけたいのに、傍に居たいのに、私も一緒に笑いたかった

「っは……」

最悪な夢だ、もう何十年と前の事なのに、あんなに鮮明に思い出すなんて
虐待が発覚後、施設に預けられると同時にカウンセリングを受け、大分マシになったというか防衛本能で嫌な記憶は時間と共に無くなっていった、と思っていたのに

いそいそと準備をしてリビングに行く

「A、おはよう」

笑顔で挨拶をしてくれる今の両親を見て安堵する

「おはよう」

私も笑顔で挨拶を返した

(もうあんな思いは嫌だ)