Ⅳ今世は人生謳歌したい【REBORN】 (ページ18)

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『はぁっ、もう帰る、から!』

目の前には今より少しだけ幼い恭弥君がトンファーを構えていた

『まだ咬み殺してない』

そう言いながらトンファーを振り回す、それを避ける

『何時間これやってると思ってるの!さすがに私も体力の限界だよ!お腹空いた!』

これは、恭弥君が私に付きまとい始めた頃だ
家まで逃げ帰ろうと思ったが恭弥君は家までついてきた、そして丁度私の両親と鉢合わせる
そして何故か母さんが夕飯食べて行きなさいと誘い、恭弥君も予想外だったのかあれよあれよという間に一緒に食卓についていた

『このハンバーグこの子が作ったのよ～』

母さんは呑気にそんな事を言っていたが私の方はあの雲雀恭弥の口に合うのか、と内心心臓バックバクだった
ハンバーグを一口サイズに切り分け口に運ぶ、咀嚼の時間がすごく長く感じた

『……悪くない』

その一言にほっとした、父さんが何だその言い方は!などと喧嘩を売ろうとしたのをなだめた

『君の両親変わってるね』

一応お客さんなので外まで見送る、それそっちが言うんだ、と思った

『まぁ、また食べに来てあげてもいいよ』

なんだそれ、と言おうとしたがそれは口に出せなかった、あの、雲雀恭弥が、笑っていた
今まで不敵な笑みを浮かべるのは見ていたが、初めて、嬉しそうに小さく微笑む恭弥君に嬉しくなってしまった
案外とっつきやすいのかもしれない、と思った

『やぁ、』

『ちょ、どうしたのその血?!』

『返り血だよ』

恭弥君の着ているシャツに血がべっとりついており怪我したのかと心配して急いで駆け寄った、がそれは全部返り血で安心したようなぞっとした様な複雑な気持ちになったのを覚えている
頬にも血がついていたのでハンカチで拭ってあげるとそこには傷がついていた

『ここ怪我してるよ?!』

大したことない、という恭弥君の手を引き家で治療してあげた

『せっかく綺麗な顔してるのに傷跡残ったらもったいないよ』

そう言うと驚いた顔をしていた恭弥君、そしてふっ、と笑う

『君も変だ』

『変な要素あった?!』

上機嫌になった恭弥君はまだ暴れたりないから付き合ってよ、とまたトンファーを構えたので慌てて家を飛び出した

『A』

いつからかわからないがちゃんと名前を呼んでくれて、戦い抜きで会いにくるようになった

いつしか、私もこの人の傍に居る事が心地よくなってた、だから、私はこの世界に＿＿＿＿＿＿＿

(目が覚めた時に君が隣に居なくて、とてつもなく寂しく感じてしまった)