Ⅳ今世は人生謳歌したい【REBORN】 (ページ17)

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あんたなんか要らないの

この世界にあんたはいらない

消えて

頭の中で響く声、耳を塞いでもそれは聞こえ続ける、この世界にイレギュラーなのはわかってる、わかってるから

『早く消えちゃえばいいのに』

耳元で呟かれた感覚がして飛び起きる、汗がパジャマに張り付いていて気持ち悪い
余りにもリアルな感覚だった事にほんとに夢だったのかと疑ってしまうが当然部屋には誰もいない

枕元に置いていたリングを手に取って握りしめる、幾分かは落ち着いた、たかが夢だ、それでも的確に私のトラウマの部分をつついてくる

「…わかってる」

気が滅入ってしまいそうだ

「あんたまた寝てないでしょ」

朝一花に会い、そう言われてしまう

「あー眠れなくて…」

「ここまで続くならさすがに病院行ったがいいわよ」

「…考えとく」

納得のいってない表情をしている花に笑ってみせる、病院まで行くのはさすがに心配をかけてしまう、それに何て説明をすればいいのかもわからない

一応コンシーラーで隈は隠しているが勘のいい人たちにはすぐにバレてしまう、それでも無理はしないで、とそっとしておいてくれた
お昼まではなんとか耐えたがやはり食事をとると眠気は余計に増した、開始五分で先生に心配され保健室に強制送還された

「A」

保健室へ向かう途中で名前を呼ばれ振り向く、私の顔を見るなり名前を呼んだ主、恭弥君は眉をひそめた

「ちょっとだけ横になろうかと…」

へら、と笑うがそりゃあ恭弥君の表情は変わらない、つかつかと歩いてきて私の腕を掴み歩き出した

私もされるがままでいると保健室に到着し扉を開けた、誰も居ないみたいだ

「ありがとうね～少し寝れば大丈夫だから」

眠れるかわからないが目を瞑るだけでも多少は回復する、いそいそとベッドに入る

「もっと寄って」

なぜか端に寄らされ疑問に思っていると恭弥君もベッドに入ってきた

「な、なんで?!」

「君が眠るか見張る」

「それだけならベッドに入らなくてもよくない?!」

「うるさい」

そりゃ一人で寝る想定のベッドに二人なのでめちゃくちゃ体を密着させるしかない、それはさすがにと思いベッドの端にぎりぎりまで寄る
するとぐ、っと体を恭弥君に寄せられる

「早く寝ろ」

「っ善処、します…」

ふわっ、と恭弥君の香りに包まれる、最初は緊張でドキドキしていたが知っている匂いに安心して段々体の力が抜けていく

(久しぶりに、良い夢を見れそうな気がした)