79 不確かな明日が、ほら。 ページ29
.
「それは...本当、ですか？」
「ああ。二宮くんには期待もしているしね。
こっちで働いた方が身のためにもなるだろう？」
「っ...ということ、は。」
「聞こえは悪いかもしれないが、二宮くんには辞令だ。
...子会社に行って、色々教えてこい。」
嘘、だ。
転勤だなんて、嘘だ。
今まで一緒にいた友達と、離れるなんて、
...嘘だ、嘘だ_________。
.
「大野、さん。」
まず、一番最初に電話をかけたのは大野さんだった。
「ニノ、どした？...喫茶店、開けとくね。」
大野さんは、そんな思いを汲んでくれたのか察してくれたのか。
喫茶店を開けるといったら、電話を切ってしまった。
「そんなことがあったんだ...」
喫茶店に行ったら、あったかい珈琲がなみなみ注いであって。
珈琲に釣れられて、ぽつ、ぽつとあったことを話してしまう自分がいた。
「じゃあ、もうここにも。...来れなくなっちゃうんだね？」
「うん。」
「いつから、なの？その転勤。」
「決まってないんだけど、早めにお願いします、って。
行かない理由もないし、先方も待ってるから...来月の頭くらいには行きたいかもしれない。」
「じゃあ...結構急な話だね。 来月の頭、って...あと二週間くらいしかないじゃん。」
そう大野さんに言われてカレンダーを見ると、
ちょうど二週間後にその日はあって。
“リアル”だな、って。
もう少ししかないんだな、って。
実感した時には、泣いていた。
離れたくないよ。
ずーっと、一緒にいたかったよ。
...なのに、なのにどうして。
僕の幸せはこんなに脆いんだよ！って。
怒り、だったんだと思う。
流れる涙は馬鹿みたいに止まらなくて。
「泣ける時に泣いとけよ、」
ってあったかい肩を抱いて声をかけてくれた大野さん。
離れたくないよ。
ずっと一緒にいさせてよ。
いっつも強情っぱりな僕は、
泣く事で少しだけ感情を伝えられるんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏子 - どっちもいいけど……2番がいいと思います!! (2014年11月16日 17時) (
レス) id: f77649e564 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 迷ったけど1番にします。これから作品楽しみにしています。 (2014年11月15日 11時) (レス) id: e86dab4b07 (このIDを非表示/違反報告)
智和(プロフ) - どちらも捨てがたい…。けど、迷いに迷って2番をリクエストさせていただきます！ (2014年11月15日 9時) (レス) id: 23e3e0e4f8 (このIDを非表示/違反報告)
(`・3・´しえる)(プロフ) - 智夏さん» はじめまして、作者のしえるです！ ありがとうございます…！凄く、凄く嬉しいです…(涙) 今後も、櫻色の喫茶店をよろしくお願いします！ (2014年8月30日 0時) (レス) id: 968d9b307e (このIDを非表示/違反報告)
智夏(プロフ) - はじめまして、１章から見させていただきました。とっても面白いです!!続きが気になります笑。無理せず自分のペースで頑張ってください応援してます（♯´□｀♯） (2014年8月29日 16時) (レス) id: 04c882c90f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ciel | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/user/sakura1247
作成日時：2014年8月28日 13時
