6.信用 ページ6
兄「しかし、弟者もなかなかだがお前もよく食べるなチビ助よ」
｢腹減ってたんですよ。
それに、チビ助じゃなくてAです。身長のことは気にしているので言わないで下さい」
カ「大きなﾌｯ音だったｯもんね」
カリスさんはまだあの事を言ってる。
もう何分も経ってるのにだ。
恨みを込めた睨んでやったら我慢出来ないｯと爆笑し始める始末だ。
次その事でからかったり笑ったりしたら水ぶっ掛けてやる。
弟「まぁ沢山食べるのいい事だと思うよ？」
この言葉だけで分かる。
この人、凄くいい人だ。
それに比べて師はアレだから余計に性格の良さが際立ってる。
カ「そうだよ？お腹空いたら力出ないk」
そのカリスさんの言葉が途切れたのは、俺が宣言通り水をぶっ掛けたからだ。
カ「何でぇ？」
｢いや、次それでからかったら水かけてやるって言ったので」
弟(言ってたっけ)
カ「聞いてない」
｢しつこい人が悪いんですよ。こっちはトラウマものだっていうのにそれをしつこく突っついてきたのはカリスさんです。次言ったら今度は熱湯かけますので」
おつ｢でもアレ無かったら僕たち未だに雰囲気悪いままだと思うよ？」
｢次あの話したらおついちさんにも熱湯かけますからね」
おつ「え？最初は水じゃないの？」
「そんな決まりないですよ」
だが、確かに雰囲気は大分良くなった。
弟者とおついちに関しては普通に話してくれる。
しかし兄者はまだかなり警戒しているのに変わりない。
さっきは話しかけてくれたが、それ以外は特に俺達とは深く関わろうともしない、なんなら若干睨んでる。
それは、俺達がまだ信用に値しない。と判断しているのだろう。
弟｢カリスさんの服びしょ濡れだし新しい服買った方がいいと思うんだけど」
カ「そういえば確かに」
やっぱり弟者は人が良い。いや、良すぎるのかもしれない。
さっきまで敵だった相手のことを気遣うなんて
それは少し問題だよ」
兄｢だろ？」
声に出てしまってたらしい。
しかも兄者に聞かれてしまう始末。今日は恥ずかしいことの連続だな。
弟者が会計、おついちさんがトイレで離れてくれたのは不幸中の幸いだ。
兄｢あいつは人が良すぎる。だから俺達がフォローしてる。言っておくが俺もおっつんも弟者程は信用してねぇからな」
｢分かってますよ」
この人達の信用を得るのは思った以上に難しい。
正直なところ、少し嘗めすぎていたかもしれない。
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作者名：チビデブ | 作成日時：2021年3月18日 3時
