罪とは6 ページ8
ー影山Sideー
最初は、あの手鏡を見た時の違和感から始まる。
ゾワッ、と、下から何かが這い上がってくるような気持ち悪い感じ。
そこに誰がいるわけでもないのに、強大な”悪意”を向けられたような感覚に陥った。
「…っ」
練習中、ふとそれを思い出した俺は、日向に言った。
あんなモノを持っていたっていい事なんかない。
「アレを手放せ」と。
…その瞬間の日向の変わり様は異常だった。
瞳孔がいきなり開いたかと思ったら、突然飛びかかってきたのだ。
必死に離そうとしても、日向の力はとても強く、人間離れしていた。
まるで、別の何かが日向の中に入ってるみたいな。
「おい…日向…!どうし…た!?」
抵抗しても、無駄に体がもつれるだけ。
日向の力はどんどん大きくなっているように感じた。
異変に気付いた先輩達が駆けつけて、俺から狂乱状態の日向を、数人がかりでやっと引き剥がした。
…改めて日向を見てみると、まるで駄々をこねる子供に見えてしまったのも覚えている。
そして、しばらくすると、日向はいきなり糸が切れたように動かなくなった。
そして、手にしっかり握られた手鏡…あれはどうやっても離せなかった。
俺は念のため、日向を保健室に連れて行った(俺はほぼ無傷だった)。
ー ー
______体育館に戻ると、皆が先程の騒ぎについて話しているのが見えた。
キャプテンを中心に、全員が真剣な面持ちで輪になっている。
「どうしたんだろうな、日向のやつ」
菅原さんが心配そうな顔で呟く。
「怒ったとしてもあんなキレ方始めて見たぞ」
と田中さん。
「チビちゃん、王様に何て言われたんだろうね?」
「別人みたいだった…」
連続して月島と山口。
他のメンバーも、心配と不安が入り混じったような顔をしていた。
その時、武田先生が口を開いた。
「ともかく、学校から何かしらの処分が…「あ、あの!」…ああ、影山君!大丈夫でしたか?」
「あ、はい…俺は何とも無いんですけど、
処分とか、そういうの…無しじゃ駄目ですか?」
「と、言うと?」
「…ちょっと気になることがあるんです。
______もしかしたら、あれは日向の意思じゃないかもしれない」
俺がそう言うと、西谷さんが思い出したように言った。
「あーーーっ!!あの鏡か!!」
「はい。俺はああいうの信じたくないんですけど。やっぱり日向らしくないと思ったので」
「「?」」
…俺と西谷さん以外は首を傾げている様子。
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パリラ - スガさんの赤く見えたハサミって、「鋏の色こんなだったかしら?」からきてますか?ちががったらごめんなさい! (9月29日 17時) (レス) @page38 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
せれあ(プロフ) - もともと悪ノPさんの大罪シリーズが好きだったのがきっかけで、この作品を読ませていただいたのですが、すっごく面白くてドハマりしました!最高です!!途中で入ってくる挿絵ととても素敵です!これを読み終わったら続編も読ませていただきます! (2015年7月31日 21時) (レス) id: 3ec0242342 (このIDを非表示/違反報告)
れーな(プロフ) - 蛇姫さん» はい、悪ノpさんの小説、悪ノ大罪シリーズを元にして書いています! (2015年6月1日 7時) (レス) id: bb172d2d2b (このIDを非表示/違反報告)
蛇姫 - 悪のPさんの楽曲をもとにしました? (2015年5月28日 19時) (レス) id: af8a90f48b (このIDを非表示/違反報告)
れーな(プロフ) - 黒うさぎさん» コメあざます!!面白いだなんて!続編公開するのでよろしくお願いしますねっ! (2014年10月11日 16時) (レス) id: a6cfea6e95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2014年9月10日 21時