罪とは３４ ページ38
ー影山Sideー
「菅原さん…？どうしたんですかそんなところで突っ立って」
「…ああ、影山。丁度良かったべ」
俺の背後に立っていたのは、満面の笑みの菅原さん。
いきなり後ろに立たれたので、少しビックリしたが、菅原さんはそんなことは気にしていないらしかった。
職員室に届けに行ったのかと思っていたのだが、それにしては帰ってくるのが早いような気がする。
(…って、あれ？ハサミ持ったまま帰って来てるな、どうしたんだ？)
「菅原さん、何でハサミ持ったままなんですか？職員室閉まってました？」
「いや？違うよ」
なおも満面の笑みの菅原さん。
______少し寒気がしたのは気のせいだろうか。
「なら、どうして？」
「うん、ちょっと用事を思い出したからかな」
「そうなんですか…その用事って？」
それは、聞いてはいけない事だった気がした…
「用事？うーん、言うなれば…
…こういうこと？」
そう言って、菅原さんは勢い良く、その手に持ったハサミを…
ヒュッ
俺に向かって、刺さんばかりの勢いで突き出してきた。
「！！」
俺は咄嗟に後ずさる。
ハサミは空を切った。
「うーん、外したかぁ」
「いきなり何を！？」
すると、唐突に菅原さんは話し始めた。
「…うん、俺ね、今までずっと我慢してたんだよね。
ストレスとか、僻みとかさ。
でもさ、溜め込んでても始まらないと思って。
だから、全部コレが、解決してくれるらしいから」
「は…？」
菅原さんはそう言って手元のハサミをクルクルと回す。
ハサミは異様に紅く見えた。
…全くもって意味が分からない。
言葉がちぐはぐ。
行動と噛み合ってない。
ただ一つ、言えることは、
「菅原さん、正気か！？」
…菅原さんがおかしいってこと。
ーー
今はどこも部活中、早く切り上げる部活はもう帰っている時間だ。
だから、体育館から少し離れたここには、俺たち2人しかいない。
日向はしばらく帰って来そうもないし、助けを呼ぶにも、場所が場所だった。
(俺1人で、この人をなんとかするしかないってことだよな…。とにかく、正気に戻さないと！)
まずあのハサミだ、と身構えた時。
・
_____ハサミは、一瞬で俺の首元まで迫っていた。
「…え」
ぼやける視界。
痛さは感じない。
ただ一つ、聞こえたのは。
【アタシの獲物に手ェ出すんじゃないわよ】
…いつもと違う、どこかで聞いた声。
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パリラ - スガさんの赤く見えたハサミって、「鋏の色こんなだったかしら？」からきてますか？ちががったらごめんなさい！ (9月29日 17時) (
レス) @page38 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
せれあ(プロフ) - もともと悪ノPさんの大罪シリーズが好きだったのがきっかけで、この作品を読ませていただいたのですが、すっごく面白くてドハマりしました！最高です！！途中で入ってくる挿絵ととても素敵です！これを読み終わったら続編も読ませていただきます！ (2015年7月31日 21時) (レス) id: 3ec0242342 (このIDを非表示/違反報告)
れーな(プロフ) - 蛇姫さん» はい、悪ノpさんの小説、悪ノ大罪シリーズを元にして書いています！ (2015年6月1日 7時) (レス) id: bb172d2d2b (このIDを非表示/違反報告)
蛇姫 - 悪のPさんの楽曲をもとにしました？ (2015年5月28日 19時) (レス) id: af8a90f48b (このIDを非表示/違反報告)
れーな(プロフ) - 黒うさぎさん» コメあざます！！面白いだなんて！続編公開するのでよろしくお願いしますねっ！ (2014年10月11日 16時) (レス) id: a6cfea6e95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいな | 作成日時：2014年9月10日 21時
