【ハイキュー・ホラー】貴方の” 罪 ”、引き取りましょう 【悪ノ大罪】

罪とは１２ ページ14

「私は…
やっぱり覚えてないの、その時のことは何も…」



申し訳なさそうに目を伏せる大崎さん。

______その後、幾つか質問してみたものの、これと言った成果は上がらなかった。



『ふむ…手掛かり無し、か』

「ごめんなさい…」

「どうすればいいんだろうな？」



取り敢えず、今日は帰ろう。と言うAの一言で、おれ達が帰ろうとした時だった。

足元に置いてあった自分の鞄につまずいて、おれは思いっきり転んでしまった。

(女子2人の前で恥ずかしい…というか、最近よく転ぶような気がする)

その衝撃で、鞄に付けてあった鈴が取れてしまい、音を鳴らしながら床を転がって行く。





______ﾁﾘ…ﾝ…ﾁﾘﾘﾝ______






「…！」

『…どうした？』



すると、大崎さんの様子が少しおかしくなった。
目を見開いたかと思うと、頭を抑えるように手を当てる。



「何か…思い出…せそう……！」

「えっ！？」

「紅い瞳……高い…背、羽………紫色の…」



そこまで言うと、大崎さんはその場にへたり込んでしまう。
「これ以上は…無理みたい」と言うと、すぐに立ち上がった。



「あっ…！すぐに立っちゃ…」

「もう大丈夫だよ、ありがとう。
…あっ、いけない！そろそろ塾の時間だった！それじゃあね！」

『こちらこそ、時間を取らせてしまって悪かった。大分参考になったよ。今日はありがとう』

「うん！」



そう言うと大崎さんは走って行ってしまった。
部屋には、おれとAだけが残った。



「行っちゃった…」

『いきなり思い出すなんて、どうしたんだろうな？』



おれはさっき床に落ちた鈴を拾って立ち上がる。

そういえば、さっきの様子からして、Aは鈴の音が聞こえなかったようだった。
(小さかったし当たり前だよな)



『…だが、さっきの証言で大体状況は掴めたぞ』

「そうなの！？」



あんな少しだけで解るのか、と少し感心する。(単におれが馬鹿なのだろうか)



『おそらく、今回の事件は【色欲】の悪魔が関係していると思う』

「色欲？何だそれ？」



Aは少し困った様な顔をする。



『…純粋なお前は知らなくていいことだ。
しかし…だとしたら、結構面倒だな』

「…そんなにその悪魔は強いのか？」

『いや、力で言えば翔陽の【傲慢】が最も強い。面倒なのは能力。

【傲慢】は戦闘力が上がるだけに対して、
【色欲】は空を飛べたり、洗脳が使えたりする』


「えっ、空飛べるの！？」




それってもう反則じゃ…？

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