【一期一振】婚約者(仮)ですが、なにか？

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一「出会って早々、お呼びして申し訳ございません」


貴「い、いえ、お気になさらず…」


緊張しすぎて心拍数がドクンドクン聞こえる


貴「あの、話って…」


一「単刀直入に言います、貴女は猫を被っていらっしゃる」


貴「はい、そうですね…って…ええ！？」


一「私を見くびってもらっては困ります」


なんだ、この人…


貴「あら、さっきの息を切らせる演技、とてもお上手でしたわ」


嫌味を言い、にっこりと笑ってやった


一「っ！ば、バレて…」


貴「すぐに口に出してしまうなんて素直な方なのですね」


一「す、素直…素直なんて初めて言われた…」


そう言い、手で口を覆った


私、貴方を馬鹿にしようと思って言ったのになに褒め言葉と勘違いしてるのよ！


貴「それで、話は終わりですか？」


ため息を交えながら


一「えぇ、これで終わりのはずでした」


貴「…え？」


そして整った顔をぐっ、と私に近づけて


一「貴女のこと、気に入りました、婚約しましょう」


貴「はい？チョット、ナニヲイッタノカサッパリ…」


一「もう一度言わせる気ですか？気に入ったので婚約をしましょうと言いました」


貴「いやいやいや、お断りします」


一「なぜ！？貴女、お金が欲しくないのですか！？」


お金なんかよりイカゲソだ


貴「私はお金なんかより…」


一「そうですか、お金なんかより愛、ですか…」


なに言ってるの、とりあえず人の話を聞け


一「わかりました、わたくし、一期一振は貴女を落として差し上げましょう」


なんてめでたい人だ


貴「別にそんなこと…」


一「いいのです！これは私が決めた事…Aさんは流れに身を委ねてください…」


だめだ、我慢の限界


貴「…委ねるもなにもない！！私の話を聞けぇぇぇぇ！！！」


シーン______


一「A…さん…？」


貴「話の展開が早いのよ！なんでいきなり婚約！？意味がわからない！！それに私よりいい人なんて沢山いるんだから！！」


…あら…やらかした…


正面を見ると一振さんは体を震わせて下を向いていた


やばい、牢屋行きじゃ…


一「貴女は…貴女っていう人は…っ！！」


ガシッ


や、殺られる…！！


一「尚更気に入りました、Aさんのような女性は初めてです」


…え…？


貴「は、離してください…！」


一「いえ、離したくても離せないのです…私たちは運命の赤い糸で…」


やばいぞ、こいつ


今世紀最大のピンチ到来中_____！

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