完全リクエスト短編小説２ (ページ41)

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いのありページ41

有岡side

これからどうしよう……

ここは屋上……
メンバーに会うのも伊野ちゃんに会うのも怖い……

そんな時

ｶﾞﾁｬ……

山田「いた……ﾊｧﾊｧﾊｧ」
有岡「山田……探しに来てくれたの……？」

山田は笑顔で頷いた。
そして俺の隣に座った。

山田「大ちゃんさ、前に知念と俺が喧嘩して楽屋飛び出した時伊野ちゃんと探しに来てくれたじゃん……」
有岡「え……？」

そういえば

～回想～

知念「もういいよ！涼介なんて知らないもん！！」
山田「俺だって知念なんて知らねーよ！」
２人は泣きながら楽屋を飛び出した。

そしたら伊野ちゃんが近づいてきて
伊野尾「なぁ大ちゃん？」
有岡「ん？」
伊野尾「俺、知念探してくるから大ちゃん、山田探してきてくれない？」
有岡「分かった」

俺と伊野ちゃんは楽屋を出ていろんなとこ走り回った。

知念は中庭のベンチに座ってて山田は屋上にいたんだよね……

それで説得して楽屋に戻らせて仲直りさせたんだっけ

～回想終わり～

山田「あの時伊野ちゃんと大ちゃんがあの時にいなかったら俺、知念とすぐに仲直り出来てないと思う。でも思ったんだ」
有岡「え？」
山田「誰かに言われたとしても行動するのは結局自分。後悔するのも自分。たとえ行動起こして辛かったとしても、圭人も言ってたじゃん『きっと辛い出来事も何かしらの得になってると思う』って」

確かに今仲直りしないと複雑な気持ちのままコンサートになっちゃう……
でも……

有岡「でも……怖いよ……」

すると山田が

山田「俺だって知念と仲直りする時は怖かった。許してもらえないんじゃないかって思ったよ。でもその時知念が言ってたこと思い出したんだ『自分に勝たなきゃ何も始まらない。前に進めない』って」

山田の声は涙声だった。

山田「それを思い出した時に知念との思い出が頭に蘇ったんだ。辛かったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、腹が立ったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、楽しかったこと……それで気付いたんだ」

山田は少し間を開けてこっちを見た。
そしてゆっくりと口を開いた

山田「大切なものは失ってから気付くって。知念は俺にとってかけがえの無い存在。知念の代わりなんてきっといない。そう思ってる。今の大ちゃんもそうなんじゃない？伊野ちゃんと喧嘩しなきゃ良かった。また一緒に笑いたいって。そうでしょ？」

そういうと山田は笑った。