学力基準で入学した少女の物語【妖怪学園Y】 (ページ2)

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巨大サラリーマン宮沢さんの憂鬱ページ2

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Y学園 1-Aの教室では臼見沢(うすみざわ)ハルヒコ先生の授業が行われていた。

臼見沢「あり、をり、はべり、いまそかりは、う行変格活用と申しましてですね…」

クラスのほとんどが真面目に授業を受けている中、寺刃(じば)ジンペイというYSP基準で入学した少年は怨霊であるモモンガのモモを枕にして気持ちよく眠っていた。

A「(モモは重たいって思わないのかな…？)」

体重をかけられているのに重さを感じないのかと疑問を抱く双葉Aという学力基準で入学した少女。ジンペイの隣りの席に座っている。

すると授業の終了を合図するチャイムが鳴った。同時に眠っていたジンペイが伸びをしながら目を覚ました。

マタロウ「やっと起きた？」

ジンペイ「いやぁ〜、こう暖かいと眠たくなるじゃん？」

コマ「よく寝てたね」

A「完全にモモを枕にしてたけど……」

玉田(たまだ)マタロウはAと同じく学力基準で入学したたまたま(・・・・)が口癖の少年。小間(こま)サン太夫(だゆう)はジンペイと同じくYSP基準で入学した少年だ。

「テメェ、ぶっ殺す！！」

殺気放った言葉と共に爆発音が響く。壁にぶつかった衝撃で1-Aの扉が壊れた。

コマ「け、喧嘩！？」

ジンペイ「おっ、マジ！！？」

モモ「ウホホッ！モモも行くですねぃ！…飛ぶですねぃ！」

好奇心にかられ様子を見るジンペイに、空を飛んで後を追うモモ。

ジンペイ「うわっ、すっげ！」

「今日こそカタをつけるぜ！」

A「え、メラ先輩！？」

両手に箒を持ち、オレンジ色のオーラを放っているのはAたちの1年上である2年生の雷堂(らいどう)メラ。先程の殺気放った発言をしたのも彼だ。

「フッ……1年生の教室にまで迷惑をかけるとは…大人気ないゴリラの相手は実に疲れる」

デッキブラシを器用に〝クルクル〟と回し、カッコよく構えてそう発したのは雷堂メラと同級生の九尾(きゅうび)リュウスケ。壁に衝突した正体は彼だ。