消滅 ページ10
【side:切島鋭児郎】
「っ…え？誰…ですか？」
そこにいたのは、猫の人形を持ち、こちらを見つめ、ペタリと座っている一人の少女だった。
「…っあ…っと、君。今、外、危ないから！！俺と一緒にこっちに…！」
外の状況的に、ここにいつ被害が及んでもおかしくはない。俺は足早に少女の元に駆けつけ用としたのだが、少女は自分の目の前に右手の手のひらをスッ、と出すと、
俺にとまれ、というように合図した。
先ほどまで俺の近くに居た三毛猫も、少女の元に駆け寄った。
「…ホシが、連れてきたのなら、見せてあげるよ。」
「……え？」
少女はそういうと、スゥ、と息を吸い込み、勢いよく息を吐いた。
吐いたのと同時に、とても強い風が俺を吹き抜け、
途端に周りの景色が変わった。
「っ…？」
透けた自分の体に、浮いた体。
まるで、幽体離脱を体験しているかのようだった。
景色はお世辞でも良いといえるものではなく、真っ暗な、檻の中につながれる男女2人。
状況など微塵も俺には理解ができなかった。
そんな時、後ろからいつか聞いたこのある声がした。
「…あれ？切、島くん…？なんで、ここに…。」
「み、どりや？…なんで？」
「え…っと、三毛猫を見つけたんだ…。それで、ついていったら…ここに…。」
緑谷の口から告げられた言葉は俺とほぼ一緒だった。だとすると、これは戯言でもない誰かに仕組まれた罠なのかもしれない。
「俺も、三毛猫の後をおって…、小さい子に…。」
「切島くんもか…！僕…ちょっと前に来て、何ができるか試したんだけど、ここの世界の人たちは、僕の姿は見えないみたいなんだ。あと、
＿＿＿＿＿＿個性が、まったく使えない。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はにゃ - すごく良いところで更新止まってらっしゃる>"<||| (2021年8月26日 17時) (
レス) id: ffe9269156 (このIDを非表示/違反報告)
魁冬.(プロフ) - 桜空さん» わーー！一目惚れだなんてっっっ！！嬉しい限りです！！ぼちぼちと頑張らせていただきます！(*´-`*) (2017年5月14日 23時) (レス) id: 54e22c6e32 (このIDを非表示/違反報告)
桜空(プロフ) - はじめまして！更新お疲れ様です。この作品に一目惚れしました！これからも応援しています(*´`) (2017年5月14日 11時) (レス) id: 1e1f7c1fc1 (このIDを非表示/違反報告)
魁冬.(プロフ) - お菓子屋さんさん» コメントいただけて嬉しいです！頑張ります！(*´-`*)ありがとうございます！ (2017年5月11日 10時) (レス) id: 54e22c6e32 (このIDを非表示/違反報告)
お菓子屋さん - これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください。ほどほどにね、 (2017年5月10日 22時) (レス) id: 8652f74b0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
