検索窓
今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:11,231 hit

23 ページ23

パァンッ!

目の前で音が見えた気がする
大きな振動が鼓膜と全身を震わせた
「…ッ!?えっ… あ、びっくり…した…」
まだ耳がちょっと痛い
瞬きを繰り返す

西陰が合わせた手を戻した
「猫騙し…」
「どうだ、頭の中は」
目を開く、頭の中?
そんなの まっさらだよ

今の音が全てを吹き飛ばしたみたいだ

「めちゃめちゃ…すっきりした…」
「そうか」

ボトルとタオルの乗ったカゴを手に持った
「俺は野坂さんをずっと見ていた、出会った時からずっと。」
俺は西陰の目を見る
「アレスの天秤プロジェクトの時の野坂さんは苦しそうだった、…俺にも話してくれないこともあったが それでも支えていこうと俺は決心した」
「…もしかして、」
西陰は少し眉間に皺を寄せた
「ああ、今 手術を受けている。」
カゴの柄が強く握りしめられた
(西陰も、今 不安なんだ)
「だが、野坂さんは最後は俺にも話してくれた。強引かもしれないが、話を聞くと問い詰めてな。そして、今野坂さんは闘っている」
「…」

ああ、彼は前に踏み出せたんだ
不安も押し通して 凄いな…
第三者にならなかったんだ、ならないよう進んだんだ

「なのに、お前は留まるつもりなのか。
野坂さんを後押ししたお前が、ここであの時生まれた繋がりを断つつもりなら」
西陰は言葉を止めた
「…順を追おう
野坂さん 稲森 灰崎 3人にはFFで強い繋がりが出来たはずだ。俺もそれは知っている、数週間前 にもそれを見た。
野坂さんは…楽しそうだった」
スイカの時だ
灰崎と何買うかで揉めたんだよね、西陰の切ったスイカ皆で食べて、美味しかった

「うん、…なんかもう懐かしいや」
西陰は微笑んだ
「あの時からもう俺はこの絆が続くと、野坂さんの大事にしている繋がりが続くと思っていた。その、野坂さんと灰崎の仲を取り持つきっかけを作ったのもお前だ」

懐かしい
あの時はがむしゃらに走って走って、サッカーが出来ることが楽しくて 野坂とも灰崎ともみんなでサッカーしたいって一心で無理にでも2人に入り込んだんだ

「…正直、憧れた。俺には絶対できない。おかげで今の野坂さんがいる、こんなにも清々しく終結すると誰が思っただろう…
改めて礼を言わせてくれ」
ありがとう、 と目を合わせて言った
俺は戸惑って一瞬目を背けてしまった

「だから、野坂さんから話を聞く上で お前がどれほど灰崎を気にかけていたか想像はつく。」

穏やかな声に力が入った

24→←22



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:稲森明日人 , オリオンの刻印 , IF   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Rein | 作成日時:2018年11月19日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。