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マイキーくんは手を離してゆっくりしゃがみこんだ、正直見たことの無い姿に驚いたがまだまだ言い足りないことだらけなのも事実で、俺もまだ言うつもりで目線が合うように目の前にしゃがむ。
するとマイキーくんが少し震えているのに気づいた。原因はわからずぎょっとしてしまったが、とにかく落ち着かせなきゃととっさに頭を撫でてしまった
「マ、マイキーくん!?大丈夫ですか、体調とか…俺そばにいるんで小声でも大丈夫っすよ」
「ぁ、…タケミっち、」
「…やべぇぞ、マイキーが頭抱えて小さくなってる」
「嘘だろ…あの唯我独尊の何言われてもスンって顔してるマイキーがガチで照れてる…」
「声がもう出てねぇぞマイキー。あっ、抵抗をやめたな」
「相棒…なんか、吹っ切れると1番怖ーよお前…」
「つーかよくあんな面と向かって堂々と言えんな…あれはたえらんねぇだろ…」
「ほ、ほんとに大丈夫すか?なんかどこか痛いとか…痛いとこあるんならちゃんと言わなきゃダメっすよ!俺病院連れてきますし、一緒に着いてくんで怖くないっすよ!えっと、マイキーくんもしかして寒いとかだったりします?」
「う…」
様子が変わらない、いや変わりすぎて俺としてもどうしたらいいか分からず、泣く子をあやす感じで慌てて抱き締めてみる。褒めまくるつもりがなぜか別の問題が起きてしまっていた。正直、かつてない様子に俺自身何したらいいか全くわかんなくて、そういえば昔迷子の子いたなぁなんて思い返しつつ、当時と同じ行動を自然としてしまっていた。
「ほら、俺がいるんで大丈夫ですから!よーしよーし、とりあえず落ち着いて、ゆっくり深呼吸しましょう。マイキーくん?呼吸出来てますか?」
「…」
まずい、返事がない。どうしたらいいんだ、なんかだんだん俺が泣かせてしまったんじゃないかなんて思えてきて、落ち着かせるためにとんとんと一定のリズムで背中をたたいてみる。
「マイキーくん〜!ゆっくりで大丈夫すから、深呼吸。なんも怖くないっすよ、」
本来なら絶対しないようなことなのに、“ちっちゃい子を泣き止ませるにはこれが一番聞くんだぜ!”ってどこかで聞いたことだけを頼りに行動におこしてしまっていた。
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作者名:Rein | 作成日時:2021年8月11日 4時