【黒執事】ファントムハイヴ家のお嬢様２ (ページ19)

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65話ページ19

～NOside～

セバスチャンはアグニの様子を確認するため、厨房に顔を覗かせた。

「どうですかアグニさん。出来そうですか？」

アグニさんなら大丈夫だろう、と思っていたセバスチャンは驚く。

「はい！なんとか大丈夫です」

厨房にはあのダメダメ使用人3人組がいたからだ。

「あっ、セバスチャンさーん‼ 見てください、パイのお芋僕が潰したんですよ‼」

「オレなんかなー玉葱のみじん切りにして、今は付け合わせ作ってんだぜ！」

「食器も準備ができてるですだ」

しかも、まともに手伝いが出来ている。

「みなさんのおかげてとっても美味しくできそうです」

当たり前のように笑って言ったアグニに、セバスチャンは思ったことを言った。

「あの方達を手伝わせることができるなんて凄いですよ」

「みなさんとても良く働いてくれる良い人達です！」

「まぁ悪い人じゃありませんが…」

アグニがあまりにも自然に言うため、セバスチャンは返答に困る。

「人にはそれぞれ生まれ持った才能があります。神が示してくださった道と使命ががるのです。我ら人間(神の子)はそれに従って自然にゆっくりと出来ることをしていけば良いのです」

「……」

セバスチャンはまたアグニの名言に言葉を詰まらせた。

「何というか…アグニさんは本当に出来た(・・・)方ですね」

「とんでもない‼」

やっとつむぎだしたセバスチャンの言葉をアグニは全力で否定した。

「…私は王子に出会う前はとんでもない愚か者(バーガル)だったのです。一生かかっても返しきれないご恩です…」

そしてアグニは話し始めた。

「私の一族は司祭階級(ブラーフマナ)という、神に仕えることのできる最上級の身分(カースト)でした。

ですが…司祭(ブラーフマナ)とは名ばかりの欲と俗物にまみれた父の姿を見て育った私は、とても神を信仰する気になれなかったのです。

その身分をかさにきて、毎日私は罪を犯し続けました。

人を傷つけ、神を冒涜し、罪を重ね続けた私に…とうとうその罪を裁かれる日が来たのです＿」