【黒執事】ファントムハイヴ家のお嬢様２ (ページ13)

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59話ページ13

～Aside～

「ニ短調に大切なのは、厳粛さや敬虔さを音色で表現することです。
音色の表現を感情豊かに」

べんべんべんべん

「時には怒りを表現した音で」

ズンドコズンドコ

「そう…って何をしているんです？」

ヴァイオリンに混じって妙なものが聞こえると思ったら、ソーマとアグニが部屋にいた。

「今日1日くらい、二人に付き合うのもいいかと思ってな。俺も弦楽器は得意だし」

「出てけッ」

そう言うソーマとアグニをシエルが追い出した。

AM11:00
絵画のお時間

「次は絵画のお時間です。しっかりとバランスを見て、奥行きを出して下さい」

机に置かれたビンと果物。

それを見て、絵を描こうとしていた。

「なんだ？こんなビンなんか描いててもつまらん！」

いきなりソーマが乱入して来る。

「絵画といえば裸婦だろう。さすがにAを脱がすわけにはいかん。というわけで女！」

ソーマが指差したのはメイリン。

「脱げ！」

「ワッワタシ、心に決めた人の前ででしか脱がねぇですだ！」

はぁ。

「出てけッ‼」

またシエルが追い出した。

PM1:00
ファントム社の仕事

「ヨークシャーの工場からクリスマス限定品のサンプルが届いております」

私とシエルの前にはたくさんのぬいぐるみと商品が置かれている。

「ん。作り直させただけあって手触りがいいわね」

私はぬいぐるみの一つを抱いて言う。

「続いて本社より来年度の商品企画が届いております。新商品のクリスマスクラッカーはハロッズでの売り上げも順調のようです」

「とはいえ客(子供)はシビアだ。次々と新しい物を提供していかないとな」

シエルがクラッカーを鳴らしながら言った。

「そんなお前らのために、俺が新しい企画を考えてやったぞ‼ 見ろ‼」

アグニが企画書と書かれた紙を持っていた。

「インドの神ガネーシャをモデルにした像の人形で、なんと！鼻が動く！」

あまりにも低性能な企画にシエルが怒る。

「出てけ‼」

♦

「なーいつになったら終わるんだ？」

ソーマがつぶやく。

「なーなー。それは何をしているんだ？なーってばー」

「ああああうるさーーい‼‼」

シエルが怒鳴った。

「気が散るだろうがあッ‼‼」

PM2:00
フェンシングのお時間

これは私は出来ないため、椅子に座り、アーテルを膝に乗せて本を読んでいた。