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恥の多い生涯を送ってきました ページ4

屋上からは正門と花壇が良く見える。


そこには騒ぎを聞き付けた生徒が野次となって集まっている。

教師もマットを持ってくるように指示を出していたり、万一に備えて救急車を手配している様子が見て取れた。


飛び降りるなら急がなければならない。

もし救出されてしまったら、死ぬよりも面倒な事態が待っているだろう。


少女は呼吸を整えるように息を吐くと、後ろに振り返った。

そこにはいつの間にかクラスメイトが増えており、不安気な表情で少女を見つめていた。

しかし少女が振り返った事で、その顔には安堵の色が見えた。

貴)恥の多い生涯を送ってきました…。

強い風が吹いた。その風は少女の身体を包み込み、そのまま屋上から落ちて行く。

少女が最後に見たのは絶望に染まるクラスメイト達だけだ。


正門とは正反対にあるグラウンドの体育倉庫からマットを運んでくるのにはもう時間が足りない。

救急車は、まだサイレンの音すら聞こえない。

もう、少女は助からない。

落下の寸前、少女は小さな声で…しかしはっきりと言った。

貴)人間…失格


6月13日。深山文香は人間を失格した。

逝った先は天国か地獄か、異世界か…?→←意味の無い…


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作者名:有原霊花 | 作成日時:2019年6月25日 15時

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