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敦「此処が屋上だよ。多分もうすぐ他の皆も来ると思う。」
9月に入り、夏も終わりに近づいている。だからかひんやりとした心地よい風が、3人の頬を優しく撫でた。
鏡花「お待たせ。…転校生?」
賢治「噂の転校生さんですか?」
やってきたのは1年生の泉鏡花と宮沢賢治。2人は不意に目に入ったAに気づき、首を傾げて問いかける。
「月影Aです。貴方は?」
鏡花「私の名は鏡花。好きなものは兎と豆府。嫌いなものは犬と雷。…よろしく。」
賢治「宮沢賢治です!よろしくお願いします、Aさん!」
控えめだが、しっかりと相手の目を見て話す鏡花。屈託のない笑顔を見せる賢治。
その2人の姿勢は誰から見ても好印象。
それはAも例外ではなかったようで…
「よろしくね、鏡花ちゃん。賢治くん。」
姉のような優しげな笑みで、Aは鏡花と賢治の頭を撫でた。
谷崎「それにしても遅いね、太宰さん達。」
谷崎がそう言葉を漏らした時、屋上の扉が開く音がした。
中也「悪ぃ、遅くなった。」
太宰「いやぁ、まさか国木田くんに雑用を押し付けられる日がくるとは…ん?」
2人もすぐ、Aの存在に気づいた。
中也「もしかして、手前が噂の転校生か?(やべぇ、すげえ可愛い)」
上級生のオーラなのだろうか。Aは姿勢を正して2人に自己紹介を始めた。
「はい。月影Aです。よろしくお願いします。」
急に話さくなった太宰を不審に思ってか、A以外のものがふと太宰に目を向けた。
「「(何で顔真っ赤して口元抑えてんだよ)」」
中也「おう。よろしくな、A。俺は中原中也だ。俺の事は気軽に、中也とでも呼べ。」
太宰「私の名は太宰。太宰治だ。治さんとでも呼んでくれ給え。」
優しい2人に、Aはニッコリと笑った。
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☆天香☆ - う〜ん、太宰さん格好良い!!激しく続きが気になります!!!更新応援しております!!! (2019年5月30日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有原霊花 | 作成日時:2019年5月22日 17時