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黎明 4 ページ5
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大量のパルス兵を飲み込んだ断層の中では人間と馬が悲鳴の大きさを競いあっていた。
辛うじて立ち上がった者は、異臭を嗅ぎ、膝に達するどろどろの半液体が油であることを知った。戦慄が彼らを襲う。
｢気をつけろ！油だ、奴ら、おれたちを火攻めにする気だぞ｣
叫びが終わらぬうちに、炎の壁が空中へ吹き上がった。火矢が放たれたのだ。あらかじめ平原の各処に撒かれていた油に、同時に火が点じられ、パルス軍を炎の舌に包み込んだ。
｢……やられた｣
目の前の巨大な火柱を目にし、Aは呟く。前衛はほぼ全滅。残った兵も分断されてしまった。
引火した炎から身を守ろうと反射的に出した腕は軽く火傷を負い、ヒリヒリと痛む。
しかしそんなことは気にしていられなかった。
｢レイ、無事か｣
｢はい、なんとか…。A様は？｣
｢問題ないよ｣
するりと口から出た虚言をどうやらレイは信じたようだった。
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続く (更新停止中)
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作者名：リューズ | 作成日時：2018年10月23日 21時
