吸血鬼たちと戯れませんか？【SERVAMP】【短編集】

夜の前に *　鉄 ページ10

鉄side



今日はAがうちの旅館に泊まりにくる。

久しぶりに会うからすげぇ嬉しい。


Aはここから結構遠いところに住んでいて、たまにしか予定が合わない。



鉄「………遅いな………」



そのまま俺がいる広間に来るっていってたんだけど、なかなかAは来ない。


ヒューもAのことが大好きで、ソワソワソワソワ。

強いて言えば、Aの作るお菓子が大好き。
A自体も大好きだと思うけど。


でも、Aのことが一番好きなのは俺………！！



鉄「俺ちょっと様子見てくる……！」



心配になって受付の方に様子を見に行けば、キョロキョロとするAの姿。


ホッとして声をかけようとすると、目に入る一緒にいる人たち。



「ここに泊まりにきたの？ねーちゃん」


「夜、俺らの部屋来ない？楽しいことしてあげるからさ」



あー………これって世に言うナンパ……ってやつだよな？

ヒューが気をつけろって言ってた。



Aはモゴモゴと口を濁らして、逃げ出さなさそうだった。


俺は慌てて近づいてAの腕つかんで、男の人たちの輪から引っ張り出す。



『て、鉄！あ、えと……！』



オドオドとするAの肩を軽く抱き、絡んでいた人に言う。



鉄「俺の彼女なんで、手、出さないでください」



男の人たちは悪態をついてどこかへいってしまった。


Aを無言で引っ張ってもとの部屋に戻る。

ヒューが飛び付いてくる前に、俺の部屋につれこんだ。



『鉄、ありがとう………！………鉄じゃないみたいだった！いつもよりとってもカッコ良かったよ！』



さっきのことはなかったように、輝く笑顔を向けるA。


顔に熱が集まったのがわかる。



鉄「えーと……平気だったか？何かされてねぇか？」



Aは元気よくうなずいてすりよってくる。



『ほんっとーっにカッコよかったよ！鉄、大好き！』



ガバッと抱きついてくるA。


……幸せ………//



こんなに可愛いAと一晩中一緒にいるなんて、俺、ヤバくねぇか？

おやすみなさいの？ *　吊戯→← 浴衣 *　椿

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