この沼、キケンです (ページ6)

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ドラマの撮影も半ばにさしかかり、現場にもすっかり馴染んできた頃には

望さんとの連絡はほぼほぼとっていなかった。

もちろん、ふとした瞬間に考えてしまうことはあったけど

なんて送ればいいのか分からないし、もしかしたら迷惑かもしれないし。

なによりも、これが1番良かったのかもしれないと、自分の中で勝手に丸め込んでいた。

流「なぁ、良かったら今度俺らのライブ来おへん？」

「…へ？」

流「明日やんねんけどさ、もし空いてたら」

「んん、」

流「今回のドラマの主題歌もやるし」

行きたい、という気持ちが6割、望さんに会ってしまうかもしれない、という気持ちが4割。

なんて返せばいいか、じーっと考えても答えは出てこなかった。

結局、流星の押しに負けた私は首を立てにふっていて

彼は何故かすごく喜んでいた。

流「ぜぇったい楽しいから」

「ふふ、うん。楽しみにしてる」

流「ライブ初めて？」

「うん」

流「やばいで？ほんまに！」

何がやばいのかは分からないけど、どうやらすごくヤバいらしい。

明日の午後は、半年ぶりくらいのオフだった。

よかった、オフで。

流「絶対楽しませたるから」

目がギラギラといつもに増して大きくなって、楽しそうに笑う彼。

話を聞くに、ライブ構成や演出を担当しているらしく。

ジャニーズは多彩な人が多いんだなぁ、と何だかしんみりしてしまった。

ほな、明日！と撮影現場を別れたのが23:00

家に帰ってきたのは、0:00ぴったりだった。

望さんに、明日行くと連絡を入れようか。

でももしかしたら、もう寝てるかもしれないし

そもそも、私が来たところであちらからすればどうでもいい話なわけで。

結局、勇気がない私は携帯から手を離した。

望さんと沢山話したわけでも、ご飯に行った訳でもないのに

ここまで彼のことを考えてしまうのが、我ながら不思議で仕方ない。

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