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初めてだった。
俺と普通に話してくれた人は。
俺のことを知らない人は。
中学の時、小瀧、神山、藤井、俺が歩いてるといつも女子が騒いでうるさかった
普通に話したくて話しかけても
<やばいやばい、重岡くんに話しかけられた>
<え、重岡くんあんたのこと好きなんじゃないの>
んなわけあるか笑笑
女子と少しでも話すと好きなのかな、って噂をたてられて
めんどいから女と話すのもやめた
真っ赤なリップを塗って
スカートをパンツ見えるんちゃうかってくらいに短くして
目元とかキラキラしてるし
靴下も一番下まで下げて
ださい。純粋に
ここ学校やで?何しに来とるんっていつも思ってた
屋上に女が入ってきた時、正直めんどって思って
声がしないのが不思議で寝返りを打って
「誰」
と話しかけた
眼鏡をかけて
スカートも短くせず
唇もふつーな色で
目元もキラキラしてなくて
靴下をあげてる君が
気になったから
『重澤』
『君は』
知らないんや、嬉し
この子とは話せるんちゃうかな、って思った
「重岡」
『笑笑』
「似てるな笑笑」
笑ったら目元がクシャってして意外と無邪気に笑うから
一瞬だけ、一瞬だけどきっとした
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作者名:理 | 作成日時:2019年5月28日 22時