まさかのメンバー ページ18
零君のFDの車内。私は後部座席でスマホでネットニュースの記事を斜め読みしていた。
｢沖矢さんもいたんだな｣
｢どうせ子どもたちから聞いて知っていたでしょ｣
窓枠に肘をついて気だるげにスマホをさわっていたら、零君がわざとらしい話題を振った。
｢いやいや…そんな不躾なことはしないさ｣
｢悪い顔してるよ｣
同級生相手でも、赤井さんや沖矢さん絡みの話は包み隠さず話さないらしい。確かに私から赤井さんや沖矢さんの情報は一切流したことがない。FBIがフリになるような情報も。
そういうところでは敵なんだな…。自分がしたことは返ってくる、の意味を体感した気がする。
「…いいんだよ、零君が沖矢さんに対して何を考えていても…。それで今日は、ポアロのお兄さんとして普通に楽しむの？」
「まぁ、そのつもりだよ。たまの休日だ。楽しまないなんて何しに出かけるんだ」
「そうだね…」
それでも何かたくらみのある顔つきをしている。沖矢さんに無用に近づかないといいけど…。
一方、赤井さんはコナン君を乗せて走っている。対零君作戦を２人で練っているんだと思う。私がどっちの車に乗るかで口論になる直前、唐突にコナン君に零君の車に乗ることを全力で勧められた。
ニュース記事も読み飽きたところで暇つぶしにゲームアプリを開くと、コナン君から連絡が入った。
幸い、通知音は響かなかった。零君に気づかれずに確認できる。
『まだ車の中？ さっきから頼んでばかりで悪いんだけど、今日は極力安室さんと行動してほしい』
(はい？)
皆でワラワラと行動するものばかりだと思っていたのに。まさか…。そんな矢先に再びコナン君から連絡。
『沖矢さんのことを調べる気満々だと思う…。安室さんのことを離さないようにして！』
(やっぱり…。今日は零君にとって最高の取り調べ日だからか…)
零君に見えないように頭を抱えた。
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作者名：カサブランカ | 作成日時：2019年5月10日 14時
