デート…デート? ページ17
「なぁぁんでこうなったーーー?!?!」
幼女戦記のターニャちゃんみたく、米花町の阿笠邸の前で叫びたくなった。
「いやぁ。ポアロで子どもたちから楽しそうなお誘いを受けましてね。毛利先生からもポアロのオーナーからもお暇をいただいたので」
零君だ。子どもたちに囲まれてニコニコしている。
今日は私とFBIのメンバーと子どもたちと博士で東都水族館へ遊びに行く予定だった。私は赤井さんと2人のつもりだったんだけど、彼がせっかくなら皆で…と提案したので下心ありと疑われるようなことは言い出せなかった。
それなのにまさか零君が来るなんて…。
私は隅でこっそりとしゃがみこんでコナン君に耳打ちをした。
「どうすんのこれ…。もう零君はさっきから赤井さんのことガン見だよ…」
「俺も気づいた…」
「助けてよ名探偵。FBIメンバーは来るのやめておくように赤井さんが伝えたって言ってたけど…赤井さんが一番危ないよ。自分が行くのやめたらもっと怪しまれるからって今日は行く気満々だし…」
「どうしたの、江戸川君。Aさん」
「あ、哀ちゃん…」
隅でこそこそと話す私たちが怪しいとにらんだらしい哀ちゃんがじとっと見つめて近寄ってきた。
「何か楽しいことでも考えているのかしら。私も混ぜてくれない?」
「灰原…博士と一緒にビートルの調子を見ていたんじゃないのかよ…」
「もう終わったわ。ビートルは絶好調よ」
さて彼女になんて答えようか…と2人で冷や汗をかいていたら、歩美ちゃんに手を引かれた。
「Aお姉さん! 早く行こうよ! 安室さんが車に乗って、だって」
「えぇ?」
「阿笠博士は子どもたちを乗せるだろ? 定員オーバーだからAは僕の車に乗るといい」
「Aさんは私の車に乗りますよね。スバル360の乗り心地が最高だってよく言ってますもんね」
赤井さんにそんなことを言った記憶はない…。さっそくの衝突に名探偵に救いを求める視線を投げたが、見て見ぬフリをされてしまった。
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作者名:カサブランカ | 作成日時:2019年5月10日 14時