佐藤刑事と高木刑事 ページ14
「無理には聞かないけど、実際に安室さんとはどうなの?」
「どうなのって聞かれて答えるようなことはないですよ」
「あら、そう。まぁ…彼氏がほしいなんて言ってるとこは見たことないしね。身近な安室さんにアピールしてるところも見たことないし。由美のはからかいたいだけとか恋愛の話をしたいだけだろうから、まぁ付き合ってやって」
美和子さんの説明はしっくりくる。かつ丼をがっつく姿が勇ましい。そんな彼女のポケットから軽快な音が響いた。
「あら? わt…高木君からだわ。ちょっとごめん」
美和子さんが席を立った。
2人は公認、と言うより署内で広く知られたカップルだ。美和子さんは男性人気が高く、高木さんは目の敵にされがちである。未だに。
食べ終えてごみをまとめていると、今度は私のスマホが着信音を響かせた。
沖矢昴として赤井さんから。今回を機に連絡先を交換した。
内容は帰りも迎えに行く、今日はジョディたちと会う約束があるから一緒に食事に行かないか、とのこと。
いかにも業務連絡な文面だけど、赤井さんからの連絡は嬉しい。ジョディさんたちとの食事も。
仕事中にそれが表情に出ていたらしく、捜査を終えて帰ってきた目暮警部と白鳥警部に気味悪がられてしまった。
「変なこと考えているんじゃないんです!」
「ま、まぁ君は人一倍データを多く受け取ってまとめているんだから疲れもたまっとるんだろう…今日は早く帰りなさい」
「誤解ですって!」
なんとか2人の誤解は解けたようだけど、この日は早く帰れることになった。事件に巻きこまれたことへの配慮でもあるらしい。
仕事が明日以降にしわよせする可能性も無いのでお言葉に甘え、この日は誰よりも早く署を出た。
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作者名:カサブランカ | 作成日時:2019年5月10日 14時