八: 幼馴染みとの絆 ページ8
キリキリ‥
ハクは弓をいっぱいに引き絞る。
的の中心に向けて全神経を集中させた。
一瞬 息を止めて矢を放つ。
ダンッ
良い音と共に的の中心に矢は突き刺さった。
「さすがハクですね!!」
「スウォン様こそ、お見事でしたよ」
ハクは流れる汗をぬぐった。
「おや、Aとヨナも来ていたようですね」
スウォンが見ている視線の先には楽しそうに
笑い合うAとヨナの姿があった。
『ヨナ様のお心は必ず届きますから。私も
協力します』
‥‥Aの声が、こちらまで聞こえてくる。
バカか‥アイツはスウォン様にも聞こえてるぞ
とハクは心の中で叫ぶ。
けれど、ハクの心配を他所にスウォンは特に
気にも止めていないようだった。
「元気ですねぇ‥Aは。やっぱり諦めるのは
難しそうです‥‥」
「どうしたんです?スウォン様?欲しい物が
あっても諦めるのは良くないですよ」
「えっ‥‥‥譲ってくれるんですか?」
スウォンの拍子抜けしたような口調に
ハクは違和感に首を傾げた。
会話の中でナニカが噛み合ってない気がする
のだ。
「譲るって‥何をです？」
「Aですよ」
「＿＿は!?アイツがスウォン様の欲しいもの?
これは面白い冗談ですね」
「むう。私は本気ですよ」
冗談かと笑いとばそうとしたハクだが
スウォンの真剣な眼差しは本気なのだと悟る。
その思いにハクはニヤリと笑った。
「それこそ、諦める必要ないです。
ライバルとしてスウォン様がいると張り合いが
あるんで。高華の雷獣は強敵ですよ?」
「望む所ですよ。ハク」
(‥‥Aが俺よりスウォン様を選んでも
スウォン様ならアイツを託せる。
けど、俺もアイツが好きだからこそ
絶対に負けられねェな。)
ハクとスウォンがお互いに視線を交える中
場の空気を読まずに、ハクの使っていた弓が
ふよふよ‥と浮き始めた。
そして、勝手に弓矢が放たれる
「くッくッ‥はははっ」
「あはははっ。何ですかそれっ」
ハクとスウォンは、二人ともお腹を抱えて
笑い合う。
その姿を見たAは、見とれてしまった。
そして、それはヨナも同様で。
「駄目だよ!!私達を見えない人が驚くじゃん!!」
ヒビキの声で我に返るA
その浮遊する弓の正体は＿＿
＿＿翠玉の瞳に鮮やかな茶色の髪
長身で20代前後くらいの青年だった。
『セイっ!!何してるのよっ』
「俺もハク様とスウォン様の仲間に入れて
欲しかったんですけど自分が霊っていうこと
忘れてました‥‥」
この場に何とも言えない静寂が訪れた
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深雪 - とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年6月5日 18時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 面白かったです！私パンダアイラブプロデューサーという名前で占ツクに投稿してます。暁風の夢さんのこと応援してます。一緒に頑張りましょう!! (2017年4月29日 12時) (レス) id: 0642b6c808 (このIDを非表示/違反報告)
Pano - 面白かったです！！これから頑張ってください。応援してます！ (2016年9月4日 20時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 良かったです！頑張って下さいね！応援しています(*'▽'*) (2016年6月7日 23時) (レス) id: 244a9211b5 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林春樹 | 作成日時：2016年2月27日 23時
