三十二: 全てを貴方に ページ33
「A様…!!」
崖から落下した先は、深い森の中だった
Aの姿を探せば、少し離れた場所にヨナ
を抱き締めるようにして倒れていた
幸い、髪色は桃色に染まっている
怪我は無かったものに出来るから今の所は
命に関わる程では無い。
ヨナの怪我も意識を失っているが軽症。
だが、Aやヨナの近くに倒れているハク
は、大量の出血をしているのが見えた
「セイっ…ハク様がっ…」
崖からの転落後、一緒に飛び降りたヒビキが
顔面蒼白で動揺していた
無理も無い
まだ、知識の浅い１２の子どもなのだから
ビリッ！セイは服を引きちぎり
ハクの出血を止めようと奮闘する
「セイ…身体が…」
術の効果が切れてきたのか身体が薄く
透明に透けていくセイとヒビキ
このままでは霊に戻ってしまう。
まだ、ハクの応急処置が済んでいないのに
処置が今、充分に出来ないとハクは______
「霊の姿のままA様を見守るって
決めたのになぁっ！」
「私が、助けるッ！！」
セイは大剣で腕を切り裂き
ヒビキは自ら指を噛みきり、血を滴らせる
契約に必要なのは、自らの血。
複雑な術式を地面に描き
ゼノに教えて貰った通りに【誓い】を
セイとヒビキは口にする。
"我等は、我等の全てを霊華姫に捧げ
永遠の忠誠を誓う"
Aの魂が【誓い】に反応して共に震え出す。意識を失ったのにも関わらず流れ出した涙がその証だった
ぱああ…身体は透けるのを止め、元に戻って
いった。
契約は霊でありながら人の姿と霊の姿
両方を扱えるようになる
その代わりに、成仏は永遠に出来ない
死ねないAを永遠に守護する従者。
ただ、不老不死と決定的に違うのは
【既に死を迎えた後】ということ。
半死人の彼らの
心臓の音は、もう聞こえない。
一瞬にして長く感じられた時の流れ
人の姿を得たセイとヒビキは応急処置を
再開する。
どれくらい時間がたっただろうか
１人の少年が、この場に姿を現した
「あんたら誰？」
***
【解説】
*説明の補充です。
・霊華姫は死なないとありますが
初代霊華姫 ロカが死んだのはAに
引き継ぐ為の強制的な代変わり
・Aが「不死」になったのは
１度死んで幽界に行ったから目覚めた。
・「代償」と「恋が出来ない」ことに関しては
この先の物語にて。
・「痛みの引き延ばし」と「不老」の力は
Aが元から持っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
深雪 - とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年6月5日 18時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 面白かったです！私パンダアイラブプロデューサーという名前で占ツクに投稿してます。暁風の夢さんのこと応援してます。一緒に頑張りましょう!! (2017年4月29日 12時) (レス) id: 0642b6c808 (このIDを非表示/違反報告)
Pano - 面白かったです！！これから頑張ってください。応援してます！ (2016年9月4日 20時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 良かったです！頑張って下さいね！応援しています(*'▽'*) (2016年6月7日 23時) (レス) id: 244a9211b5 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小林春樹 | 作成日時：2016年2月27日 23時
